水素を固体化しトラック輸送 北海道で構想、物流問題も解決へ
専門家の視点
稚内の再生可能エネルギー由来水素を固体化し、札幌方面へ一般トラックで輸送する構想は、物流の帰り便活用という点で経済合理性への現実的な配慮があります。実体として、水素化マグネシウムは消防法上の危険物非該当であり、専用車両不要という物理的利点は明確です。しかし、NEDO事業の「調査フェーズ」採択である以上、まだ机上の検討段階で、風力発電の稼働率や固体化・再放出時のエネルギー効率といった実証データは未提示です。ここに物語先走りの構造があります。稚内の水素を札幌でどう最終消費するのか、燃料電池車か定置用かで必要量や供給コストの前提が大きく変わるのに、記事では需要側の具体像が欠落しています。また、物流も「荷物が無い」から帰り便が空くのであって、水素輸送だけが専用荷物になる点は、往復の需給バランスを根本から変えません。隠れた前提は「帰り便の輸送力が常に余っている」ことですが、季節や曜日で荷動きは変動します。次の観測点は、調査フェーズ後の実証事業で、固体水素の単位輸送コストと再放出効率の公表値です。
メールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアするH2ほっかいどうなどが提出した事業イメージ図 [PR] 稚内市で再生可能エネルギーを活用して製造した水素を札幌市などで利用する構想が、国の支援事業に採択された。代表提案者は札幌市の水素関連企業「H2ほっかいどう」。札幌市や大手企業と連携して、水素エネルギー供給網の構築を目指す。 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会モデル構築高度化技術開発・実証事業」の調査フェーズで採択された。稚内市で風力など再生可能エネルギーを使って作った電力を水素に変換し、札幌市など都市部に輸送して活用する仕組みを探る。 計画のカギとなるのが、水素を「水素化マグネシウム(MgH2)」に変えて固体化する技術だ。札幌市水素事業担当課によると、水素を気体のまま運ぶには高圧ローリーなど専用車両が必要でコストがかかるが、水素化マグネシウムは消防法上の危険物に該当せず、一般的な物流トラックで運べる利点があるという。 札幌から稚内方面へ荷物を運んだトラックの帰りの輸送力を活用することで、北海道の物流における採算性の課題と輸送コストの問題を同時に解決する。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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