補正予算頼みから転換へ 政府が示した新たな予算編成の考え方
政府がGX投資枠を含む新たな予算編成方針を示した。
専門家の視点
GX分野への予算配分を「補正予算頼み」から脱却する政府の方針転換には、実体と物語の間に構造的なズレが存在します。実体面では、GX投資には発電所や送電網といった大規模インフラへの長期コミットメントが不可欠であり、単年度の補正予算では計画的な執行が困難でした。制度としての「投資枠」創設は、この物理制約にようやく追いついたものと言えます。 しかし、物語面では「強い経済」というフレーミングが先行しています。GXの本質は脱炭素という公共財への投資であり、半導体など産業競争力強化と同列に扱うことで、CO2削減という本来の目的が希薄化するリスクをはらんでいます。検証可能なKPIとして排出削減量が設定されるのか、それとも投資額の実績だけが追われるのかが、この枠組みの成否を分けます。 期待面では、長期安定財源への市場の期待が先行していますが、肝心の「誰が実行するのか」という実行レイヤーが不明瞭です。電力会社や自治体が、この枠組みを活用してどのタイミングで具体的な設備投資に着手するのか見えてきません。