企業動向

ファッション企業のCFOたち、サステナビリティを「P&L(損益)」の課題へと転換

Forbes JAPAN 2026-07-29
ファッション企業のCFOが、サステナビリティを損益計算書に統合する取り組みを進めている現状を伝える記事。

専門家の視点

CFOがサステナビリティを損益計算書の課題として捉え直す動きは、実体としての「コスト可視化」と「規制対応の財務影響」を物語として前面に押し出した構造です。EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)やデューデリジェンス義務化など、逃れられない法制度の変更が実体として存在する一方、それを「P&L課題」という経営言語に翻訳することで、投資家や取締役会といった期待レイヤーに届く枠組みへと変換しています。 しかしここには「物語が実体を整理しすぎている」というズレがあります。サステナビリティ課題をP&Lフレームで捉えることは、10年以上先に顕在化する気候リスクやブランド価値の毀損といった非財務資本の劣化を、四半期ごとの損益計算に押し込めない本質があります。隠れた前提は「サステナビリティは財務指標で適切に管理できる」という点です。実際には、水使用量や人権リスクのような定量化が難しい要素が、P&Lの外側に残る構造は変わりません。 この転換の成否は、CFOが「損益」という枠組みの限界を認識した上で、バランスシートや注記を含めた統合的な開示に進めるかどうかにかかっています。

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