【フィリピン】再エネ入札第7弾、ミ島で214万キロワット(NNA)
フィリピンで第7弾となる再生可能エネルギー入札が実施され、ミンダナオ島で214万キロワットを調達する。
専門家の視点
ミンダナオ島単独で214万キロワットの再エネ調達を目指す今回の入札は、2022年に開始されたフィリピンの再エネ入札制度の第7弾にあたります。しかし、フィリピン全体の再エネ設備容量が約800万キロワットであることを踏まえると、ミンダナオ島1地域でその4分の1超を一度に調達する規模は極めて野心的です。ここで見えてくるのは実体と物語のズレ、すなわち「物語先走り」の構造です。 実体として、ミンダナオ島は送電網の脆弱性や系統連系のボトルネックが指摘されており、過去の入札でも落札案件の稼働率は低調でした。入札で容量を確保しても、実際に発電が始まるまでに数年かかり、完工遅延や契約解除も少なくありません。一方で、政府は再エネ比率向上の物語を前面に出し、大規模調達を継続しています。 問題は、入札制度が「誰が実行するのか」という実行レイヤーと、系統増強という時間軸の長いインフラ投資の非対称性です。入札は政治家にとって目に見える成果ですが、系統整備は予算と人材が追いつかず、実質的な電源増強に結びつきにくい。この構造は、フィリピンだけでなくアジア新興国共通の課題です。