DHL、SBTi新基準で脱炭素物流を加速
DHLがSBTiの新基準に基づき脱炭素物流を加速する方針を発表した。
専門家の視点
SBTiがScope 3の新基準を発表し、DHLがそれに対応する形で「脱炭素物流」を加速させるという物語が展開されています。ここでの実体は、DHLがすでに持続可能な航空燃料(SAF)の調達や電動配送車両への投資を積み上げているという具体的な行動です。一方で、SBTi新基準は物流業界全体にとって「誰がScope 3の報告と削減を実行するのか」という実行レイヤーの課題を浮き彫りにしています。物流はサプライチェーン全体の排出量の多くを占めるため、荷主企業からの要求は高まりますが、実際の減排出手段(SAFやEV)の供給量・コスト・インフラが追いついていないのが実体です。ここにあるのは「物語先行」の構造です。SBTiというルールが先行し、DHLの宣言はあるものの、物流ネットワーク全体で脱炭素がいつ、どの程度実現可能かは不透明です。この記事が当然としている「新基準があれば加速する」という前提には問い直しが必要です。ルールが厳しくなるほど、基準を満たせる企業と満たせない企業の二極化が進み、全体の「加速」にはならない可能性があります。