「過剰生産能力」をどう見るか、商務部が詳細に説明
専門家の視点
中国の「過剰生産能力」論争は、実体と物語が激しく衝突する現場です。実体として、中国の工業生産能力稼働率は74.4%で、ハイテク分野では十分に活用されている一方、伝統的産業では構造調整に伴う適応的な低下が見られます。また、太陽光発電モジュールの世界供給8割など、グリーン分野での生産実績は確実です。しかし、米国のインフレ抑制法やEUの産業加速法案が示すように、相手国も同様の産業補助金を投入しており、中国だけを「補助金による過剰生産能力」と断じる物語は、フレーミングの非対称性を露呈します。 ここでの隠れた前提は「過剰生産能力が常に悪である」という点であり、実際には需給の動的均衡の一部です。物語先走りの構造であり、国際的なルール形成や検証可能なKPIの不在がズレの核心です。次に見るべき観測点は、WTO枠組みでの多国間ルール更新の具体化と、各国の補助金政策の整合性です。日本企業には、この物語に振り回されず、自社のサプライチェーンにおける需給の実態とグリーン移行の時間軸を自ら検証する姿勢が求められます。
商務部は28日、「いわゆる『過剰生産能力』問題に関する中国側の立場」を発表した。商務部の関係責任者は同日開かれた国務院新聞弁公室の記者会見で、同文書の関連状況を説明し、各界の関心が集まる話題について回答した。 一部のエコノミーは近年、自国の産業競争力と市場地位に対する懸念から、経済・貿易問題を政治化し、いわゆる中国の「過剰生産能力」問題をでっち上げ、これを口実に対中貿易規制措置を次々と強化している。 「過剰生産能力」問題を全面的かつ客観的に見るには 商務部政策研究室の林衛竜主任は、「『過剰生産能力』は市場経済における動的な現象であり、需給の変化と関連するだけでなく、産業のライフサイクルからも影響を受け、常に『均衡-不均衡-再均衡』の動的循環の中にある。均衡は相対的なもので、不均衡は普遍的なものだ。同時に、生産能力稼働率の指標は、国や産業ごとの実情に照らして個別に判断する必要がある」と述べた。 林氏は、「中国の発展の実情を見ると、工業の生産能力稼働率は全体として合理的な範囲内にある。2025年の一定規模以上工業企業の生産能力稼働率は74.4%で、ハイテク製造業、ハイエンド設備製造業、戦略的新興産業などの分野では生産能力の活用はより十分だ。原材料など一部の伝統的産業の生産能力稼働率が一時的に低いのは、主に構造調整とグリーントランスフォーメーションに伴う適応的調整で、産業の質的向上・高度化の過程における正常な現象だ。中国の工業は全体として需給がほぼ均衡しており、安定的な流れを呈している」と説明した。 「補助金のせいで過剰生産能力」という国際的な議論について 商務部世界貿易機関司の韓勇司長は、「産業補助金そのものが問題なのではなく、産業補助金と過剰生産能力の間には必然的な関連性もない」と述べた。 韓氏は、「合理的でかつ規則に適合した産業補助金政策は、市場の失敗是正、技術革新の推進、生態環境の保護、貧困削減、均衡な発展の促進に寄与し、いわゆる『過剰生産能力』を生まない。だがその一方で、保護主義的措置を講じ、規則に違反する産業政策を打ち出し、自国のことだけを考えて他国を顧みず競争を制限すれば、世界の経済・貿易秩序を乱すことになる」と述べた。 公開された情報によると、米国の「インフレ抑制法」は2022〜31年にわたって7500億ドル相当の各種補助金を支給する計画だ。そのうち補助の対象となる電気自動車は、米国本土または北米での生産・販売などの条件を満たす必要があり、その他の国・地域を除外している。また一部の統計によると、欧州委員会(EU)は2021〜2030年の間に、1兆4400億ユーロを超える各種補助金を提供するという。EUの「産業加速法案(Industrial Accelerator Act、IAA)」は「EU原産」要件を通じ、現地調達率と財政支援を直接結びつける方針で、深刻な投資障壁と制度的差別を構成している。 韓氏は、「各国は世界の発展のパイを大きくすることに目を向け、合理的かつ規則に適合した産業政策を打ち出すべきであり、それを他国の発展を制限する道具としてはならない。中国は各方面と共にWTO枠組みの下で関連産業政策について議論を行い、共に関連する取り組みを規範化し、多国間ルールを時代の進歩に合わせて更新していきたい」と話した。 商務部対外貿易司責任者の賀少軍氏は、「輸出が多く黒字が大きいからといって、過剰生産能力とは限らない」と述べた。 賀氏は、貿易黒字は国際分業の深い変遷の反映と指摘。世界経済の発展を振り返ると、英国、米国、日本、ドイツなどの製造業強国はいずれも長期にわたり貿易黒字を維持してきた。米国の半導体は8割が輸出向けで、ボーイング社が納入する民間航空機の約3分の2は北米以外の顧客に販売されている。2025年の貿易黒字を詳しく見ると、EUの自動車は922億ドル、医薬品は2146億ドル、化粧品は116億ドルだった。 賀氏は、「中国の貿易黒字は、中国の産業システムが完備され高効率であるためで、グローバルな分業システムと貿易構造の変化による客観的な結果だ」と説明した。また、中国は世界全体の8割以上の太陽光発電モジュールと7割の風力発電設備を供給しており、貿易相手国のグリーントランスフォーメーションを力強く支えている。外資系企業は中国の貿易黒字の16%を占めており、そこから大きな投資収益を得ている。これらはまさに「黒字は中国に、利益は各方面に」の生きた例だと話した。 さらに賀氏は、国際収支全体から見ると、中国の物品貿易には大きな黒字があるものの、サービス貿易、資本・金融勘定には赤字があるとした上で、経常収支黒字のGDP比は約3.7%と国際的に認められた合理的な範囲内にあり、国際収支の顕著な不均衡は生じていないと説明した。 賀氏は、「
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