再エネ・技術

【国際】DNV、船上炭素回収・貯留(OCCS)の性能測定・検証フレームワークを発行

2026-07-28
ノルウェー認証大手DNVが船上炭素回収・貯留(OCCS)システムの性能を測定・検証するための標準化された推奨慣行を発行した。

専門家の視点

船上炭素回収・貯留(OCCS)は、IMOの2030年目標や2050年ネットゼロに向けた実体(規制と技術の両面)が積み上がりつつある分野です。DNVの推奨慣行は、この分野において「測定と検証の標準化」という物語の基盤を整備した点で意義があります。しかしながら、ここで注目すべきは、このフレームワークが発行されただけで「OCCS導入が進む」という期待先行の論調に読めることです。現状、OCCSシステムを搭載可能な商用船は限られ、回収したCO2の陸上での受入・貯留インフラも未整備です。つまり、測定方法が標準化されても、その測定結果を実運用に反映させる「実行レイヤー」が欠落している構造です。物語としては適切ですが、実体が追いつくまでの時間軸が不可視化されやすい点がリスクです。さらに、このフレームワークが前提としているのは「CO2を回収・貯留すれば排出削減になる」という考え方ですが、回収に伴うエネルギー消費やコスト増が全体の脱炭素バランスを崩す可能性も考慮すべきです。

ノルウェー認証大手DNVは6月22日、船舶に搭載する船上炭素回収・貯留(OCCS)システムのパフォーマンスを測定及び検証するための標準化された推奨慣行「DNV-RP-0698」を発行したと発表した。OCCSに関する業界共通の技術言語を提供し、ソリューションのさらなる開発と実装を後押しする。 DNVのデータによると、現在運航中の船舶の約90%が依然として化石燃料に依存しており、OCCSは、低排出燃料への移行が技術的にも経済的にも容易ではない既存船舶にとって、現実的な排出削減の選択肢として注目されている。DNVの試算では、世界の主要20港に二酸化炭素の荷揚げインフラを整備することで、世界全体の船隊による温室効果ガス排出量を9%削減できるポテンシャルがある。国際海事機関(IMO)もすでにOCCSのガイドライン策定に着手しており、2028年の完了を見込んでいる。 同推奨慣行では、物質収支の原則に基づき、回収率、回収された二酸化炭素量、大気への排出量、総回収効率といった一連のパフォーマンス指標を定義。燃焼前回収、燃焼後回収、酸素燃焼方式等、異なる回収技術に適用できる技術中立的な内容となっている。 また、システムの文書化、測定のセットアップ、計算、不確実性評価までを網羅した構造化された第三者検証プロセスも規定。これにより、船主や造船所、OCCSメーカーは、新造船だけでなく改修プロジェクトにおいても、システムの性能を正確に定義・検証することが可能となり、初期段階での適切な投資判断に繋がることが期待されている。 【参照ページ】New DNV RP establishes measurement framework for onboard carbon capture and storage systems 【画像】DNV ※ 閲覧チケットは翌月への繰り越しはできません。 【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら 株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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