低GHG銅鉱石の環境価値を付与した銅ケーブルを物流拠点へ実装 ~バリュ… | ニュース |
専門家の視点
鉱山の再生可能エネルギー調達という実体(技術的には既存)と、それを最終製品まで切れ目なく伝えるマスバランスモデルという制度設計は、理論上の整合は取れています。しかし、この実証試験が社会実装されるまでの時間軸には注意が必要です。原料から銅ケーブル完成までの工程を8社が分担し、さらにアプリによるトレーサビリティ検証まで含む本実証は、あくまで特定の物流拠点への単一導入です。この仕組みが一般市場で価格競争力を持ち、代替不可能な標準になるかは、今回の実証では確認できません。物語は「環境価値を可視化し届ける」と明確ですが、実体としての普及には、このモデルが生む追加コストを誰が負担するのかという経済合理性の検証が不足しています。期待先行の構造として、連携企業とアプリ開発は整っていても、コスト転嫁のメカニズムや、同様の取り組みが他の鉱山・製錬所に拡張可能かという「再現性」が示されていません。次の観測点は、この実証から得られるデータが、業界標準のガイドライン改定や、顧客企業の調達基準にどう反映されるかです。
三菱マテリアル株式会社 BHP FCM株式会社 NTTサーキュラスト株式会社 株式会社NTTデータ 三宝メタル販売株式会社 泉州電業株式会社 弥栄電線株式会社 三菱マテリアル株式会社は、BHP、FCM株式会社、NTTサーキュラスト株式会社、株式会社NTTデータ、三宝メタル販売株式会社、泉州電業株式会社、弥栄電線株式会社と共同で、原材料の調達から製品の使用までを一貫してつなぐバリューチェーンを構築し、マスバランスクレジットモデル(*1)を適用した環境配慮型銅ケーブルの社会実装を目指す実証試験を開始します。 近年、脱炭素社会の実現に向け、資源の採掘から製品の製造、使用、廃棄に至るまで、バリューチェーン全体で、温室効果ガス(以下、GHG)の排出量を削減する取り組みが求められています。銅の分野においても、鉱山での鉱石の生産プロセスにおいてGHG排出量削減の取り組みが進められています。しかしながら、複数の企業や工程が関わるバリューチェーンの中で、こうした環境面での価値を適切に伝達し、最終製品に反映することが課題となっています。 本実証試験では、BHPグループが運営するチリのエスコンディーダ銅鉱山において、購入電力の100%を再生可能エネルギーとすることでGHG排出量を大幅に削減した方法で銅鉱石を採掘・選鉱して製造される銅精鉱(*2)を原料として使用します。この銅精鉱を三菱マテリアル株式会社が製錬し銅荒引線に加工した後、三宝メタル販売株式会社を通じて販売します。さらに、FCM株式会社および弥栄電線株式会社が銅ケーブルへと加工し、完成した製品を、泉州電業株式会社が販売、今後建設されるアマゾンジャパン合同会社の物流拠点へ電気配線として実装されます。 また、本バリューチェーンにおける環境価値の管理には、「銅製品のマスバランスクレジットモデルガイドライン」(*3)を適用します。マスバランスクレジットモデルでは、製品が持つマスバランスに関する情報をバリューチェーン上の企業、ならびに最終消費者に正確に伝えることが重要となります。本実証試験では、NTTサーキュラスト株式会社および株式会社NTTデータの協力のもと開発したアプリケーションを活用し、トレーサビリティを確保した透明性の高い情報伝達プロセスを構築するとともに、その有効性を検証します。 本実証試験を通じて、環境配慮型銅ケーブルの社会実装に向けた課題を明らかにし、サステナブルな社会の実現に向けた次の取り組みにつなげていきます。 本実証試験のイメージ図は以下の通りです。 三菱マテリアルグループは、中期経営戦略(2026 2028)において、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」の変革をグループ経営の中核に据えています。当社は、BHPグループが鉱山において創出する低GHG銅鉱石の環境価値を、バリューチェーンを通じて最終消費者まで届けるという本実証試験の趣旨に賛同し、製錬・加工工程を担うパートナーとして参画します。 本実証試験を通じて、環境価値を可視化し、適切に管理・伝達するための実務的な知見を蓄積するとともに、関係各社との連携を通じて、環境に配慮した製品が社会実装される仕組みづくりに貢献してまいります。 2026年1月28日「ISOに準拠したマスバランス電気銅の供給サービスを開始」 URL:https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2026/26-0128.html
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