再エネ・技術

下水道が作るエネルギー 146カ所で発電 進む「地産地消」=大坪信剛・毎日新聞客員編集委員

2026-07-28
カーボンニュートラルな下水道由来の燃料を使った発電が全国146カ所で行われ、地産地消が進んでいる動きを報じる記事。

専門家の視点

下水道バイオガス発電が全国146カ所で稼働し、FIT売電や都市ガス業界の関心も集める中、実体は「稼働施設数」以上に進んでいるとは言えません。日本全体の下水処理場は約2200カ所あり、146カ所はまだ6.6%に過ぎません。バイオガス発電の普及は確かに進んでいますが、その実体はごく一部の先進事例に限られており、大半の処理場では未活用のままです。ここで問題なのは、記事が「146カ所」という数字をカーボンニュートラルの希望として大きく提示する一方で、残り93%以上の処理場でなぜ普及が進まないのか、その制度的・経済的課題に踏み込んでいない点です。例えば、中小規模の処理場では設備投資の回収が見込めず、導入の意思決定が遅れています。また、バイオガスを都市ガスとして活用するには精製設備やガス導管への接続が必要であり、都市部と地方のインフラ格差が障害となっています。この記事で隠れた前提は「普及の余地がある=あとはやるだけ」という楽観的な因果関係です。実際には、実行レイヤーである各自治体の財政制約や、ガス事業者との連携スキームが未整備であることが普及の壁です。

「政治プレミア」で連載する4氏による「時代を見る」コラムです。 地球温暖化の抑制に寄与する「環境にやさしいエネルギー」 埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故(2025年1月)で、下水道の老朽化問題が大きな関心を集めるようになったが、下水道が電気やガスなどエネルギーにも利用されていることは、思ったより知られていない。全国146カ所の下水処理場で、汚泥から発生するバイオガス(消化ガス)による発電が行われており、作った電気を施設で使ったり、国の固定価格買い取り制度(FIT)を利用して売電(電気を事業売却)までしている。電気だけではない。都市ガス業界もバイオガス利用に注目しており、50年カーボンニュートラル実現の手立ての一つとして推進している。中東の原油危機とは全く異次元の脱炭素エネルギーの現状と課題をお伝えしたい。 まず、今回バイオガスを取り上げる理由は、このガスが、風力、水力、太陽光などと同じように、燃焼しても大気中の二酸化炭素(CO2)を増やさない「再生可能エネルギー」だということだ。下水汚泥・生ごみ・家畜のふん尿などは、「生物由来の有機物」であり、バイオガスの主成分は生物が取り込んだ炭素から生成される。このため燃焼時に出るCO2は、炭素が相殺されカーボンニュートラルとなる。地球温暖化の抑制に寄与する「… Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。1ステップで今すぐ登録する 「外国人優遇」論と政府 根拠のない「総合的対応策」=大澤優真・一般社団法人つくろい東京ファンド事務局長

本文は配信元の記事から取得した抜粋です。

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