ENEOS、独から合成ガソリンを輸入 水素とCO2から製造
ENEOSがドイツの実証工場で製造した水素とCO2由来の合成ガソリンを2026年度中に輸入する計画を明らかにした。
専門家の視点
ENEOSがドイツの実証工場から合成ガソリンを輸入する計画は、供給側の実体がまだ限定的であるにもかかわらず、需要側の期待が先行しやすい構造を示しています。ジャーマン・イーフューエル・ワンの実証工場は商業規模には達しておらず、2026年度中の輸入開始というスケジュールは技術の実用化とコスト競争力の両面で不確実性を伴います。一方で、ENEOSが自社の国内精製設備ではなく海外調達に頼る点は、日本国内でのe-fuel製造インフラの欠落を浮き彫りにしています。ここで隠れた前提は「海外で作れば国内より効率的」という考えですが、エネルギー安全保障やサプライチェーンのリスクを考慮すると、国内での製造基盤を同時に構築しない限り、物語が実体に追いつかないリスクがあります。物語先走りの構造であり、次の観測点は2026年までの実証工場の生産能力拡大と、ENEOSとの長期契約の条件です。日本企業にとっては、技術調達と国内自立のバランスをどう取るかが中核的な課題となるでしょう。