企業動向

戦略的なCO2排出量削減とオフセットの実行によるネットゼロの達成。GXリーディングカンパニーとして地域経済を牽引する存在へ/株式会社八十二銀行様

bywill-4477564.hs-sites.com 2026-07-27
八十二銀行は、地域脱炭素推進コンソーシアムでの協働を契機にバイウィルの支援を受け、自社のネットゼロ達成に向けてJ-クレジットやVCS認証の海外クレジットを調達し、Scope1・2の温室効果ガス排出量実質ゼロを2022年に達成した。

専門家の視点

八十二銀行が1990年代から環境経営を積み重ね、Scope1・2でネットゼロを達成した実績は確かです。しかし、今回の記事の主題は、残るScope3、特に投融資先の排出削減という難題に対し、J-クレジット等のオフセットをどう活用するかという点にあります。ここに「実体はあるが、物語と期待が先行している」構造が見えます。実体として、銀行自身の排出削減は省エネと再エネで実現しましたが、投融資先の排出量は銀行の直接的なコントロールが及ばず、削減の道筋は自社のそれよりずっと不透明です。記事の物語は「地域と共に」「説得力を持つ」というビジョンを示しますが、オフセットの具体的な調達量や、そのクレジットが地域のどのような排出削減プロジェクトから生まれるのかといった実行計画は語られていません。市場や地域社会の期待は、八十二銀行という地域のリーディングカンパニーが行動を起こしたというストーリーに走りがちですが、肝心の「誰が、いつ、どのように投融資先の排出を減らすのか」という実行レイヤーが欠落しています。この構造の中心にある隠れた前提は、クレジットの調達が本質的な排出削減と同義であるという考え方です。

長野県に本社を置く八十二銀行は、豊かな長野の自然環境を守るため、長年にわたりサステナビリティ経営に力を入れてきました。ISO14001の認証取得や環境会計の導入など、環境意識の高さは職員一人一人に浸透しています。2021年からはサステナビリティを経営の根幹に据え、企画部内に専門部署「サステナビリティ統括室」を設置。国内銀行で初めてCDPの最高評価を獲得するなど、情報開示にも積極的に取り組んでいます。今回、さらなるサステナビリティ経営の促進に向けた、脱炭素の取り組みとしてオフセットの実行を検討するにあたり、地域脱炭素推進コンソーシアムで、カーボンクレジットを軸とした地域脱炭素の推進に向けて協働していることを契機に、国内外のカーボンクレジット・証書の調達をバイウィルがご支援しました。 オフセット計画・設計のアドバイスJ-クレジット・VCS(*)認証の海外クレジットの調達支援 *VCSとは:「Verified Carbon Standard(認証カーボン基準)」の略で、国際的に最も広く使われているカーボンクレジットの認証制度のひとつ。第三者機関による厳格な審査を通じて、クレジットの信頼性が保証されています。 神津様:自然豊かな長野県を地盤とする地域金融機関である八十二銀行は、県内で130を超える拠点を展開するリーディングカンパニーとしての役割を担っています。これまでも地元企業の脱炭素化や環境保全、海外展開支援、IT・DX支援等さまざまな面で先進的なチャレンジをお客様と共に続けてきました。長野県といえば、豊かな自然が大きな特色で、観光や農業など自然を活かした産業も多くあります。だからこそ、八十二銀行はこれまで環境について意欲的に取り組んできました。地球温暖化対策や環境保全にしっかり取り組んでいくことは、地域の発展にもつながります。 山浦様:八十二銀行は、サステナビリティやESGという言葉が一般的になる前から、環境経営に力を入れてきた銀行だと自負しています。いくつか取り組みをご紹介すると、1991年に銀行界で初めて、「古紙の回収・再生・利用」の一環システムを構築しました。その後の1999年には、地方銀行で初めて環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001認証」を取得しました。具体的な目標を定めグループ全体の環境保全活動の管理を徹底し、組織的に環境意識を高めてきました。2005年には環境会計を導入し、環境保全活動にかかるコストとそれによる経済効果、環境保全効果を定量的に把握しています。2009年から続けている「八十二の森」と名付けた森林保全活動も、職員が環境への貢献・行動を身近に感じられる機会になっています。目の前の森を整備する中で、自然と環境に対する意識が高まっていると感じています。最近では、2023年、国際的な評価機関CDPの最高評価であるAリストに国内銀行で初めて選定されました。また翌年2024年も連続してAリスト入りしており、気候変動対策や情報開示に積極的に取り組んでいることが評価されています。 バイウィルさんとの地域脱炭素推進コンソーシアムもその取り組みの1つです。当行は当初からこのコンソーシアムに参画していますが、地域の脱炭素化を共に推進するなかで、今回のクレジット調達やオフセットの協力関係も始まりました。 神津様:環境分野で先進的な銀行であり続けるという強い意識のもとネットゼロへのコミット自体が対外的な強いメッセージになると感じていました。また、地域の脱炭素化のためには、銀行の取引先企業であるお客様にも脱炭素化に取り組んでいただくことが大切ですので、まずは自分たちから行動することでより説得力が増すと考えています。 山浦様:2021年に策定した「中期経営ビジョン2021」において、サステナビリティを経営の根幹に据え、環境関連目標も設定したことで、銀行全体として脱炭素や地域との共創を強く意識した方針が今まで以上に明確になったことが大きかったと思います。 そして、その翌年2022年には自行のScope1・2の温室効果ガス排出量実質ゼロ、いわゆるネットゼロを達成しました。達成のベースとなったのは省エネです。LED化、空調温度の厳格管理などの省エネ対策や、2021年度の岩村田支店を皮切りに、2022年度には富士見支店、大町支店、福島支店もZEBの最高ランクである『ZEB』(カギゼブ)店舗として新築しました。それらに加えて、再生可能エネルギーへの切り替えも大規模に進めており、2022年度から八十二銀行で使用する電力は全量実質再生可能エネルギー化しています。 企画部(サステナビリティ統括室)主席役 山浦 雄一郎様 山浦様:Scope1・2については、削減の道筋が見えてきましたが、Scope3、特にカテゴリ15である「投融資先

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