制度・政策

【フランス】政府、第3次国家低炭素戦略決定。世界初のカーボンフットプリント目標も

2026-07-26
フランス政府が閣議決定した第3次国家低炭素戦略(SNBC3)で、輸入品も含めたカーボンフットプリント削減目標を世界で初めて設定した。

専門家の視点

フランス政府が決定した第3次国家低炭素戦略は、カーボンフットプリント目標を世界で初めて掲げた点で、物語としては先進的です。しかし、ここには「実体」と「物語」の間に顕著なズレが潜んでいます。まず、実体として、輸入品の排出量をどう測定し、どこの国のどの事業者の排出をどうフランスの責任として計上するのか、という測定・帰属の技術的枠組みが未整備です。この目標が実効性を持つには、製品単位でのライフサイクルアセスメントの普及と、サプライチェーン全般にわたるデータ開示が不可欠ですが、その制度設計と執行体制はこれからです。言い換えれば、フランス政府は「見える化」の旗を掲げたものの、誰がどのコスト負担で実行するのかという実行レイヤーが欠落したままです。また、この戦略がEU全体の炭素国境調整メカニズムと二重規制になるのか、貿易相手国との調整をどう図るのかという制度的な非対称性も無視できません。結果として、この発表は市場や市民に対して「フランスは本気だ」という期待を先行させる一方で、目標を達成する具体的な政策手段と時間軸の裏付けが不足しています。

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