企業動向

建築関係2法案が成立へ/士法と省エネ法改正、担い手確保と脱炭素化促進

日刊建設工業新聞 2026-07-24
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。

専門家の視点

建築士法と省エネ法の改正という制度改正が同時に成立する構造は、実体と物語の間に隙間があります。実体としては、建築分野の担い手不足と既存ストックの省エネ性能向上という二重の課題が確かに存在します。しかし物語は「担い手確保と脱炭素化の同時解決」という説明で一貫しており、両者の間に本質的なトレードオフがある可能性を省略しています。たとえば省エネ基準の厳格化は施工の高度化を要求するため、むしろ担い手の参入障壁を高める側面があります。 期待先行の構造が疑われる点です。政治や市場は「法改正=課題解決」と受け止めやすく、実際の運用フェーズで人材育成や執行体制が追いつかないリスクがあります。特に「誰が実行するのか」という実行レイヤーが不明瞭で、設計事務所や中小施工業者の現場に負荷が集中する可能性を本文は検討していません。 ここで強く問いたいのは、法改正の効果が「いつ効き始め、どの程度可逆なのか」という時間軸の観点です。建築物の省エネ改修は長期の投資回収を前提とするため、今回の制度改正が即効性を持つとは考えにくい。

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