出力抑制量、33年に東北は九州の3倍 広域上げDRが課題
2033年における東北と九州の再エネ出力抑制量の差や広域ディマンドリスポンスの課題を報じている。
専門家の視点
出力抑制量の地域間格差は、再生可能エネルギーの大量導入が進んだ結果として実体化した物理的な制約です。2033年に東北で九州の3倍もの抑制量が予測される背景には、送電線容量という既存インフラの限界と、地域ごとの需給バランスの非対称性があります。この現実に対して、広域での需要調整(DR)が課題として掲げられていますが、ここには物語と実体のズレが潜んでいます。 「広域上げDR」という解決策は、制度上は市場メカニズムとして整備が進みつつあります。しかし、実行レイヤーが不明確です。誰がどのタイミングで具体的に需要を増やすのか、その調整主体やインセンティブ設計が、現状の発表では十分に翻訳されていません。期待先行の構造と言えます。 時間軸で見ると、送電線増強には10年単位の投資と許認可が必要ですが、DRは比較的短期で実装可能です。ただし、その効果は需要家の行動変容に依存し、可逆性が高い点もリスクです。記事が当然としている「広域DRで解決できる」という隠れた前提には、需要増加のインセンティブと制御の実効性という別の見方が必要です。