再エネ・技術

CO2を用いたコンクリート等製造技術開発 | NEDO グリーンイノベーション基金

green-innovation.nedo.go.jp 2026-07-23
NEDOのグリーンイノベーション基金によるプロジェクトで、CO2をコンクリートやセメントに固定化・削減する技術開発と社会実装を目指している。

専門家の視点

CO2をコンクリートやセメントに固定化する技術開発は、カーボンリサイクルの中でも固定化ポテンシャルと生成物の安定性という実体面で優位性があります。しかし、本プロジェクトの構造には「物語先走り」の特徴が現れています。2030年までにCO2排出削減・固定量最大化コンクリートの製造システム確立、既存製品同等以下のコスト達成、石灰石由来CO2の全量回収、国際標準化といった目標は、技術的難易度と普及の時間軸を考慮すると極めて挑戦的です。特にセメント製造における石灰石の脱炭酸反応という根本的なCO2排出構造は、回収技術の導入だけでは解決できず、回収したCO2の貯蔵・利用先も含めたバリューチェーン全体の設計が必要です。また、記事では「誰が実行するのか」という実行レイヤーが明示されておらず、既存のセメント・コンクリート業界の企業行動や投資判断とNEDOのプロジェクト目標がどの程度整合するかが不明です。隠れた前提として、国際標準化が2030年までに実現可能であると仮定していますが、各国の規格・認証の非対称性や地域ごとの原材料特性の違いを考慮すると、協調と競争の両立は容易ではありません。

カーボンリサイクルは、CO2を資源として有効活用する技術でカーボンニュートラル社会を実現するためのキーテクノロジーであり、CO2分離回収分野や、一部の化学品分野をはじめとして日本に競争力があります。 特にコンクリート、セメント、炭酸塩等への CO2の利用については、CO2固定化ポテンシャルが高いこと、生成物が安定していること等から、早期の社会実装による大規模な CO2削減が期待され、日本をはじめ米国や欧州において研究開発・実証が本格化しています。 しかしながら、コンクリート・セメント分野において脱炭素化を実現するためには、世界各地で利用されているコンクリートのCO2排出削減・固定量を増大させるとともに、コスト削減等によりその利用を促していく必要があります。また、コンクリートの材料であるセメントについても、その原料である石灰石の脱炭酸反応で CO2が排出されるという課題があります。 本プロジェクトは、同分野におけるカーボンリサイクル技術の社会実装に向け、上述した技術的課題の解決を図るとともに、国内・国外への普及を戦略的に進めることで、同分野における脱炭素化の実現やカーボンニュートラル社会実現に貢献することを目指します。 プロジェクトの特徴CO2排出削減・固定量最大化コンクリートの開発2030 年までに材料製造~運搬~施工に係るCO2排出量の削減及びCO2固定量の増大を図るとともに、コスト低減を実現するCO2排出削減・固定量最大化コンクリートの製造システムの確立し、既存製品と同等以下のコストを目指します。 2030年までにCO2排出削減・固定量最大化コンクリートの品質管理手法を確立するとともに国際標準化を実現します。 2030年までに石灰石由来のCO2を全量近く回収し、既存のCO2回収手法(化学吸収法;アミン法)と同等以上のコスト低減を実現するCO2回収型セメント製造プロセスの確立を目指します。 2030年までに、回収したCO2や廃棄物から効率的かつ経済的に炭酸塩を製造し、セメント原料等で利用する技術や、コンクリートへの利用拡大に向けた規格・ガイドラインの策定を目指します。

本文は配信元の記事から取得した抜粋です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る