【アメリカ】ニューヨーク州知事、データセンター新設最大1年間停止。世論も反対派多数に
専門家の視点
ニューヨーク州がデータセンター新設を最大1年間停止する判断は、AIブームの「物語先走り」に対する現実的なブレーキと言えます。実体として、データセンターは膨大な電力と水を消費し、送電網や地域社会に負荷をかけますが、これまでその環境影響評価は個別案件ごとに進められ、州全体の統一基準が欠落していました。今回の措置は、その実体を直視し、一般環境影響評価書(GEIS)という制度的枠組みで「評価の標準化」を図る点で、手続きの非対称性を是正しようとするものです。一方、トランプ大統領の反発は、雇用と税収を最優先する「期待先行」の立場から、規制を「成長の阻害要因」とフレーミングしています。ここでの隠れた前提は「データセンターの経済便益は常に公共価値を上回る」という考え方ですが、ニューヨーク州は異なる選択をしました。重要な観測点は、この1年のモラトリアム期間中にGEISと同時に策定される地域社会投資枠組(CIF)です。これが実効性を持てば、単なる「待った」ではなく、持続可能性と地域利益を両立させる新たな開発ルールの原型になります。
米ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は7月14日、ハイパースケール・データセンターの新設に関する州の環境許可を最大1年間停止する知事令に署名した。同様の措置は全米州で初。同時にデータセンター開発に向けた最も厳格な基準を確立するとともに、地域社会を支援するための青写真を策定する。 ホークル知事は、2021年に州知事に就任して以来、同州がAIのイノベーションと開発において全米をリードする政策を掲げてきた。2025年度予算には、公共の利益のためのAI研究を推進する全米をリードするイニシアチブ「エンパイアAI(Empire AI)」を発足。また2026年には、AIがもたらす経済的利益をすべてのニューヨーカーが享受しつつ、労働者の安全を守るための政策や民間セクターの施策に関する諮問機関「フューチャーワークス委員会」も発足させている。 ホークル知事は今回、ニューヨーク州では、AIやその他のコンピューティング業務を原動力として、データセンター開発への需要がかつてないほど高まっていると認識。この需要の増加に伴い、州全域でデータセンターの建設・運営に関する提案が相次いでいるが、膨大な量のエネルギーと水を必要とする可能性があると指摘した。 ホークル知事は2026年初頭、データセンターがエネルギー料金の増額を支払うか、独自にエネルギーを供給することを義務付ける「エナジャイズ・ニューヨーク」手続を開始するよう公共事業局(DPS)に指示。また同手続の一環として、DPSに対し、データセンター向けの「一般環境影響評価書(GEIS)」を提出することも指示しており、これにより、新たに稼働を開始するデータセンターが一貫した基準を遵守するよう促している。 今回の措置は、GEISが策定される最大1年間の期間中、データセンターの新設を一時停止し、環境保全局(DEC)に対し、裁量的な許可も禁止するもの。同州は、GEISを用いて、州内におけるデータセンターの建設および運営がもたらす潜在的な環境影響(エネルギー需要、水使用量および水質、大気質への影響を含む)を評価する考え。州がこれらの基準を最終決定次第、モラトリアムは解除され、州の規制、ゾーニング条例、およびその他の地方自治体の承認に従う限り、新規データセンタープロジェクトを進めることができるようになる。 また、ホークル知事は、エンパイア・ステート・デベロップメント(ESD)に対し、60日以内に「地域社会投資枠組(CIF)」を策定することも指示。CIFは、大規模なデータセンター契約の一環として、地域インフラの改善、保育への投資、地域社会への直接的な財政支援等、地域社会への利益を交渉する際、地方自治体に明確な指針となる。また、CIFでは、経済的利益を最大化するため、労働組合に交渉の場を確保し、データセンター建設における一般賃金基準やプロジェクト労働協定、地元での雇用、見習い制度、労働力開発を優先する枠組も確立する。地域社会が投資交渉をどこから始めるべきかを評価するための算定式も含まれる さらに、ホークル知事はDPSに対し、「ニューヨーク・グリッド加速基金」の創設を検討するよう指示。データセンターに対し、州の老朽化した送電網インフラやエネルギー需要への投資を義務付ける。DPSは、顧客設置型の分散型エネルギー資源や蓄電等を含め、データセンターに対し、運営専用の新たなクリーン発電への資金提供を義務付ける方策も検討する。同時にホークル知事は、州内全域の大規模データセンターに対する売上税免除を廃止する法案の成立を目指す。 この決定に対し、トランプ大統領は7月15日、SNS「Truth Social」の自身のアカウントで、「将来の雇用における最大の原動力の一つは、データセンターだ。データセンターは規模が大きく、堅実で、大胆であり、建設される州にとっては「金のなる木」となる。キャシー・ホークル知事は、政治的な理由から、ニューヨーク州内で建設中または建設予定のすべてのデータセンター計画を中止した。現在、こうした企業はアラバマ州、フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州、その他多くの州から誘致されています。税収も雇用も、まさに「流動的な金」そのものだ!ニューヨーク州は最悪の決断を下した。こうした収入やその他の恩恵のすべては、データセンターを「金のなる木」として迎え入れ、低税率と記録的な雇用創出を実現している「レッドステート(共和党支持州)」や一部の「ブルーステート(民主党支持州)」に流れ込むことになる。データセンターは水や電力の費用を自ら負担し、余剰分は州や地域社会に還元されます。データセンターは、その誘致に成功した幸運な州や地域社会にとって、計り知れない「勝利」なのだ。ニューヨーク州は、直ちに政策を転換すべきだ。過激な左派の「ダモクラッツ」た
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