企業動向

「2026年度中小企業の脱炭素に関する実態調査」の集計結果について|調査|調査・ガイドライン |東京商工会議所

tokyo-cci.or.jp 2026-07-22
2026年度の調査で、中小企業の過半数が脱炭素に取り組む一方、規模が小さいほど取組率が低く、取引先からの要請を受ける企業も約1割で、そのうち約7割が自社のみで対応していることが明らかになった。

専門家の視点

「要請はあるが支援はない」という現実が、中小企業の脱炭素をめぐる構造的な非対称性を浮き彫りにしています。実体としては、過半数の中小企業が何らかの取り組みを始めている一方、取引先からの脱炭素要請を受ける企業は14.2%と少数で、そのうち約7割が自社のみで対応を強いられています。資金面の支援を受けている企業はごく一部であり、企業規模による取り組み格差も明確です。ここから見えるのは、物語と実体のズレです。大企業のサプライチェーン全体での脱炭素化という物語は広がっていますが、中小企業への実行支援は「わかりやすい情報提供」にとどまり、肝心の資金と人材が現場に届いていません。期待は補助金など資金面に集中していますが、支援策が実体として機能するかは不透明です。隠れた前提は「情報提供で中小企業は動ける」という発想ですが、人手も時間も限られる現場では、情報の洪水はむしろ混乱を招きます。この調査が示す構造は、要請が一方的に流れ込む「実行レイヤーの欠落」です。次の観測点は、資金支援のメニューが中小企業のキャッシュフローに合致するかどうかです。

日本商工会議所ならびに東京商工会議所(ともに小林健会頭)は、標記調査を実施し、別添のとおり結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。 本調査は中小企業の脱炭素への取組状況・課題、政府などへ期待する支援内容等の現状を把握し、今後の要望および支援活動に活かしていくために実施いたしました。調査結果のポイントは以下のとおりです。 【中小企業における脱炭素への取り組み状況】〇「脱炭素に関する取り組みを実施している」と回答した企業は過半数を占めている。従業員規模別にみると、51人以上の規模では7割以上に達した一方、5人以下の企業では約3割(34.2%)にとどまっており、従業員規模が大きいほど取り組みの割合が高い。〇取り組みを実施している企業における具体的な取り組み内容は、「省エネ型設備への更新・新規導入」等、省エネに関する割合が高い。次いで、「エネルギーの使用量・温室効果ガス排出量の把握・測定」や廃棄物削減やリサイクルの推進等といった「資源循環に関する取り組み」についてもそれぞれ約4割の企業が実施。【脱炭素に関する取引先等からの要請の現状】〇脱炭素に関する取引先等からの「要請を受けている」と回答した企業は約1割(14.2%)。業種別に見ると、「製造業」、「石油卸売業・燃料小売業、電気・ガス・熱供給」、「建設業」が上位。〇取引先等から脱炭素に関する要請を受けている企業のうち、要請が「取引条件になっている」と「対応が事実上求められている」を合わせた約4割(42.8%)の企業が、脱炭素の取り組みが取引の条件になっていると回答。〇取引先等から脱炭素に関する要請を受けている企業のうち、「支援を受けている」と回答した企業は約3割(27.6%)にとどまり、約7割(72.4%)の中小企業は要請を受けているにもかかわらず、自社のみで対応している。〇受けている支援の内容は、「わかりやすい取り組みガイドラインの提供」や「技術・ノウハウの提供」など情報提供や人材育成に関するものが多く、資金面の支援を受けている企業は一部にとどまる。【政府・自治体、商工会議所に期待する脱炭素支援】〇政府や自治体に期待する脱炭素支援については、「省エネ設備、再エネ導入等に対する資金面での支援」が約6割(57.3%)と最多となっており、資金面での支援・メリットを求める声が多い。〇商工会議所に期待する脱炭素支援については、 「省エネ・脱炭素に関する支援策や補助金等のわかりやすい情報提供」が約6割(59.4%)と最も多い。 (1)調査地域:全国47都道府県 (2)回答企業数:2,497社(3)調査期間:2026年5月7日~5月29日 (4)回収商工会議所数:205商工会議所(5)調査対象:各地商工会議所の会員企業 (6)調査方法:各地商工会議所を通じて依頼(WEB回答) 東京商工会議所 産業政策第二部 担当 大澤・上林・寺尾・皆藤 TEL 03-3283-7836

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