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東北電力と倉元製作所、ペロブスカイト太陽電池を評価 - ニュース

2026-07-22
東北電力と倉元製作所がペロブスカイト太陽電池の実証評価を開始し、従来のシリコン型との発電量・水素製造量を比較検証する。

専門家の視点

ペロブスカイト太陽電池の実証実験という実体は、東北電力と倉元製作所という異業種連携で進んでいます。サイズや耐久性といった物理的制約を乗り越えようとする取り組みです。しかし、物語の側面では「シリコン型との比較」という検証KPIこそ明確ですが、ペロブスカイトが持つ「軽量で柔軟、設置場所を選ばない」という本来の優位性をなぜこの特定サイズ・環境で測るのか、という目的の説明が不足しています。この実証で成功と判定される条件が不明瞭なままです。期待のレイヤーでは、市場や投資家はペロブスカイトの「次世代太陽電池」という物語に先行して期待を膨らませがちですが、実体としての量産技術や長期信頼性のデータはまだ乏しく、物語先走りの構造が読み取れます。隠れた前提は「設置環境さえ整えば、シリコン型と同等の発電効率が出れば普及する」という発想です。しかしペロブスカイトの普及にとって本質的なのは、むしろ「どこにでも貼れる」という非対称性を活かした新市場の創出です。

東北電力と倉元製作所は7月17日、ペロブスカイト太陽電池の性能評価を開始した。仙台市にある東北電力研究開発センターの屋上と壁面にペロブスカイト太陽電池を設置し、発電電力量や耐久性、既存設備との接続性などについて検証する。 同施設の屋上にガラス型ペロブスカイト太陽電池パネルを21基設置し、同施設構内に設置される水素製造システムと電力系統と接続する。1基あたりの大きさは231×122×3.5cm。併設する従来のシリコン型太陽電池と比較して、同じ環境下の発電量と水素製造量を検証する。 また、壁面にフィルム型ペロブスカイト太陽電池シートを5枚(1シートあたり太陽電池6枚1綴り)設置し、どのような発電性能が得られるかを検証する。シート1枚あたりの大きさは192×36cm、厚さは1.7mm。 ペロブスカイト太陽電池は倉元製作所が提供した。評価項目は、発電効率の測定(屋外環境下)、耐久性の検証、温度・湿度など環境因子の影響評価、既存設備の接続性・制御性の確認。また今後、積雪地における発電性能の把握など地域特性の違いも考慮に入れた性能評価を段階的に進めていく。 倉元製作所と連結子会社のKURAMOTO(クラモト)ペロブスカイト(宮城県栗原市)は、ペロブスカイト太陽電池事業について、中国・广东聚石化学股份有限公司(Polyrocks Chemical=聚石化学)の完全子会社である聚石化學香港との事業提携と合弁事業化に向けて協議している。6月19日、「ペロブスカイト太陽電池プロジェクト投資枠組み協定書」を締結した。 倉元製作所は、年産1MW規模のペロブスカイト太陽電池プラントへの設備投資を進めており、2025年12月には会社分割(簡易新設分割)により事業子会社であるKURAMOTOペロブスカイトを設立。同事業の本格的な量産体制の構築と事業化には、今後も追加的な資金、技術・製造ノウハウ、販売・調達ネットワークなどの経営資源が必要となることから、複数の事業パートナーと協業可能性を検討してきた。 聚石化学は、同事業におけるパートナー候補として2025年10月から協議を本格的に開始。聚石化学から総額12億円の法的拘束力のない出資意向表明書の提示を受け、聚石化学に対し事業子会社の資本振替(DES)を前提とした100万米ドルの借入(ブリッジローン)と総額6000万人民元(約12億円、借入金含む)の出資を前提とした共同事業を提案した。 今回、聚石化学香港から前受金30万米ドル(約4700万円)が送金されたことから、今後の正式契約の交渉に向けて同協定書を締結した。今後、聚石化学グループによる事業子会社への資本参加、前受金の増資払い込み金または出資金への充当・振替、事業子会社の資本構成、各社の役割分担、事業計画、ガバナンスなどの条件を確定することを検討する。 Copyright 2026 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved. このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP、またはその情報提供者に帰属します。 掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

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