欧州における水素発電を実現するための 水素ガスタービン発電実証研究(ドイツ)
当社製30MW級ガスタービンに水素焚き対応の燃焼器と燃料制御システムを搭載し、天然ガスと水素を0~100%の任意の割合で混焼・専焼する実証研究をドイツで行う。
専門家の視点
欧州連合の水素戦略が掲げる2050年カーボンニュートラル目標に対し、30MW級ガスタービンの水素混焼・専焼実証という技術的現実がようやく具体化しました。技術面では、既存のガスタービンに水素燃料制御システムを搭載するアプローチが取られており、これは実体としてインストールベースの活用を前提としています。 この構造の中心は、実体と物語の間にある時間軸のズレです。欧州の水素発電の物語は「グリーン水素大量供給→ガスタービンで発電」と描かれますが、現実にはグリーン水素の生産コストと供給インフラが未整備です。実証は可能でも、商業運転の開始時期や水素調達の確実性が不明瞭なまま、市場の期待だけが先行しています。 特に「0~100%の任意の割合」という記述は、技術的には正しくとも、水素価格が天然ガスの数倍である経済合理性を無視した物語となりがちです。この実証は、供給側の準備が整うまでの待機技術として位置づけられるべきであり、今すぐ水素発電が普及するという期待を持つと、投資判断を誤らせます。