企業動向

日工がアミタの資源循環工場へ自動化対応設備を納入

2026-07-21
日工がアミタの資源循環工場へ自動化対応設備を納入し、業界全体で廃棄物リサイクルへの取り組みが進んでいる。

専門家の視点

ZERO Iの設備納入は、資源循環の「社会インフラ化」という物語に、日工のアスファルトプラント技術という実体が接続された事例です。ここでの構造的なずれは、「完全自動化」という2027年に設定された目標と、現時点の運転がカメラ監視による手動調整段階であるという時間軸のギャップにあります。物語は人手不足解消と品質安定化を約束しますが、実体としてAI画像診断による自動練り時間調整システムの連携は「進められている」段階であり、目に見える成果はまだ出ていません。 注目すべきは、日工が「エンジニアリング営業部」を新設した点です。これは単体機器の販売から製造工程全体の最適化提案へ、ビジネスモデルを転換する動きであり、実体が翻訳されつつある兆候です。しかし、ZERO Iのような先進事例はまだ一件であり、このモデルが他社や他産業に横展開されるかどうかが、期待先行となるか実体が伴うかの分岐点です。競合の田中鉄工もGX対応プラントを強化しており、業界全体の動きは活発ですが、どの企業も「廃棄物の100%リサイクル」という最終目標に対して、具体的なKPIや検証方法を公開していません。

日工株式会社は、アミタサーキュラー株式会社が兵庫県姫路市に新設したスマートファクトリー「ZERO I(ゼロワン)」へ、廃棄物由来の循環資源(廃棄物を加工し、天然資源の代わりとして再び産業で利用できる原料や燃料)を製造するプラントを納入した。2026年7月9日の開所式を経て、本設備は本格稼働を開始している。本プロジェクトは、2027年を目途に製造プロセスの完全自動化を目指すアミタグループの事業モデル「サーキュラー3.0」の中核を担うものであり、日工の高度な設備技術がその基盤を支える形となる。 2026年現在の日本の製造業は、地政学リスクに伴う資源価格の高騰や円安、さらには深刻な人手不足という複合的な課題に直面している。特に環境面では、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を管理するScope3(自社以外のサプライチェーンでの排出量)への対応が企業の競争力を左右する重要な要素となっている。2025年11月に施行された「再資源化事業等高度化法」により、製造業者が求める質と量の再生材を安定供給する仕組みづくりが加速しており、資源循環の「社会インフラ化」が急務だ。 こうした中、日工は国内シェア80%を誇るアスファルトプラントやコンクリートプラントで培った技術を横展開し、環境・リサイクル分野でのエンジニアリング事業を強化している。競合他社においても、田中鉄工がGX(グリーントランスフォーメーション)対応型プラントの展開を強めるなど、業界全体で「廃棄物の100%リサイクル」と「製造工程の自動化」を両立させる動きが活発化している。日工は今回、アミタサーキュラーが求める「トラブルのない安定性」と「高度な自動制御システムとの連動」という厳しい要件を満たす設備を納入することで、この分野での実績をさらに積み上げた。 今回「ZERO I」に導入された設備は、企業から排出される多種多様な廃棄物をセメント原燃料などの循環資源へと再生するプロセスにおいて、最も重要な「均質化」と「サイズ制御」を担う。この工場では最大18種類の廃棄物を同時に保管し、顧客ニーズに応じた多品種の循環資源を製造することが可能だ。納入された設備は、主に以下の4つの高度な機能を備えている。 第一に、2軸の混練(材料を練り混ぜること)ミキサによる「ハンドリング改質」である。アスファルトプラントで培った技術を応用し、投入された原料に調湿剤を添加して均質な状態へと練り上げる。現在はカメラで練り混ぜ状態を監視しているが、2027年の完全自動化に向けて、AIによる画像診断で状態を判定し、自動で練り時間を調整するシステムの連携が進められている。ハンドリング(廃棄物の水分量や粘性を調整し、搬送や処理をスムーズに行える物理的性質に改善すること)の最適化は、後続の自動化工程を安定させるための鍵となる。 第二に、スクリーン(振動ふるい機)による「粒度(粒の大きさ)調整」だ。練り混ぜられた材料は自動でふるい分けられ、次工程の規格である40mm以下に整えられる。第三に、規格外材料の「自動ループ再破砕」機能がある。40mmを超えた材料は自動的に2軸破砕機へと送られ、規格内に収まるまでシステム内を循環し続ける仕組みだ。最後に、完成した循環資源を製品ヤードへ自動で搬送・投入する機能により、製造から出荷準備までの一連の流れをシームレスにつないでいる。 日工は、今回の「ZERO I」への納入実績を足がかりに、単体機器の提供にとどまらない「エンジニアリング営業」をさらに加速させる方針だ。同社は新たに「エンジニアリング営業部」を立ち上げ、製造工程全体の最適化や高度な自動化設備の提案に注力している。今後は、本格稼働した設備の保守・メンテナンスを通じてアミタサーキュラーの安全稼働を支援するとともに、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)を駆使した次世代型プラントの普及を目指す。 資源循環の完全自動化は、人手不足の解消だけでなく、再生資源の品質安定化と供給量の拡大に直結する。日工は、インフラを支えるプラントメーカーとしての技術力を活かし、脱炭素化や資源循環を目指すあらゆる産業分野の課題解決に寄り添うことで、持続可能な社会の実現をエンジニアリングの力で支えていく考えだ。 出典:日工プレスリリース(PR TIMES)

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