再エネ・技術

三菱重工系、米電力大手と覚書/GTCCにCCS統合

2026-07-20
三菱重工業が米国でガスタービンコンバインドサイクル発電所とCCS技術を統合した脱炭素電源の普及に向け、米電力大手と覚書を締結した。

専門家の視点

三菱重工グループと米エンタジー社の協力覚書は、CCS統合型GTCCを「脱炭素電源」と位置づける物語を掲げていますが、ここには根本的な構造のズレがあります。実体として、CCSは大規模なCO2回収設備と貯留サイトの確保が不可欠であり、技術的実証段階を超えて商業運転に至ったケースは世界的に限定的です。現時点でGTCC発電所とCCSを統合し、50%ものコスト削減を実現する具体的なロードマップや実証データが公開されているわけではありません。これは「物語先走り」の構造です。特に注目すべきは、米国ではIRA(インフレ抑制法)による税優遇でCCSへの投資期待が高まっているものの、貯留サイトの許認可やCO2輸送パイプラインの建設という制度的・物理的制約が実体として残っている点です。この記事が隠している前提は、「CCSがどの地域で、誰の責任で運用されるか」という実行レイヤーの欠落です。電力会社が回収したCO2を輸送・貯留する事業主体はまだ確立されておらず、この部分が未定義のままではコスト削減目標も絵に描いた餅になります。

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