再エネ・技術

川崎重工が推す水素→ナフサ生産 戦前から続く代替技術の宿命に挑む - 日本経済新聞

nikkei.com 2026-07-18
川崎重工が、脱炭素燃料として水素からナフサを生産する技術を提案し、原油代替を目指す取り組みを報じている

専門家の視点

石油依存のリスクを可視化したホルムズ海峡危機という実体が、川崎重工の水素→ナフサ技術に一時的な注目を集めました。しかしこの技術は戦前から存在する「代替燃料の繰り返し」という物語の一部であり、実体としてのコスト競争力や大規模実証の進捗が伴わなければ、期待は持続しない構造です。物語先走りの典型と言えます。 制度面では、水素供給網やカーボンプライシングが未整備であり、導入は早くとも執行と人材が追いつかない非対称性があります。誰が実行するのかという実行レイヤーは川崎重工や一部の関連企業に限定され、産業全体への波及には時間がかかるでしょう。 隠れた前提は「合成ナフサの原料として水素が供給される」ことですが、現時点でグリーン水素の商用コストは割高であり、この前提が崩れれば技術の優位性は失われます。両立しにくい二つの事実は、短期的な安全保障ニーズの高まりと、中長期的な水素コスト低減の不確実性です。次の観測点は、この技術が実証段階を超えて市場調達と同等のコストを達成できるかどうかであり、その成否が日本企業のGX人材にとっての実質的な課題です。

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