制度・政策

中国=能源部、26~28年の省エネ・脱炭素行動計画を策定|海外支店便り

2026-07-17
中国能源部が2026~2028年の省エネ・脱炭素行動計画を策定した。

専門家の視点

中国能源部が2026〜2028年の行動計画を策定しましたが、構造的に見ると「物語先走り」の典型です。非化石エネルギー消費比率の年平均1ポイント上昇という目標は、確かに数値化されていますが、石炭火力の効率基準達成比率15ポイント引き上げとセットになった場合、既存設備の更新ペースや送電網の柔軟性といった実体の制約が無視されています。中国の石炭火力発電設備は依然として世界最大規模であり、効率改善だけでは絶対排出量の削減に直結しません。また、ゼロ炭素工業地区の建設や重点産業での省エネ進展を求めていますが、「誰が実行するのか」という実行レイヤーが不明確です。地方政府や国有企業へのインセンティブ設計、補助金の財源、人材育成の具体的な工程が示されていません。さらに、石油・ガスの生産加工工程での省エネ強化は、そもそも需要ピークを迎える前に供給サイドだけを改革しても効果が限定的です。隠れた前提は「省エネ技術の革新が自動的に普及する」という楽観視です。

中国能源部は、省エネと脱炭素の取り組みを一段と推進するため、2026年から2028年を対象としたエネルギー分野の行動計画をまとめた。エネルギー構造の最適化や効率向上、科学技術の革新、政策支援の強化を重点に据え、エネルギーの生産から貯蔵、販売に至るまで省エネ・炭素削減を徹底する方針を示した。 計画では、化石エネルギー産業の省エネ・炭素削減をさらに深めるとともに、非化石エネルギーによる代替を拡大し、石炭と石油の消費ピークの到来を促すことを目指す。これにより、エネルギー供給のグリーン化を全面的に推進し、持続可能なエネルギー体系への転換を加速する考えだ。 2028年までには、非化石エネルギー消費の比率が年平均約1ポイント上昇すると見込まれている。石炭火力発電については、電力供給に伴う石炭消費を合理的に抑制し、現行のエネルギー効率基準を満たす発電設備の比率を15ポイント引き上げることを目標に掲げる。また、ゼロ炭素工業地区の建設を進め、重点産業で省エネ・炭素削減の顕著な進展を図り、グリーンエネルギーの利用率向上を目指す。 こうした目標を達成するため、行動計画は電力システムの省エネ・炭素削減の推進、石炭生産・供給の効率改善、石油・ガスの生産加工工程での省エネ・炭素削減強化、消費側での非化石エネルギーによる化石エネルギー代替の促進、省エネ・炭素削減技術の革新、政策メカニズムの整備といった分野での取り組みを求めている。

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