通信業界の脱炭素化 鉄塔事業者が「盲点」 英GSMAが指摘
英GSMAが通信業界の脱炭素化レポートで鉄塔事業者の排出が盲点と指摘した。
専門家の視点
GSMAのレポートは、通信業界の排出量削減が進んでいる事実を確認する一方で、2050年ネットゼロ達成には不十分と警告します。ここでの構造的な論点は、通信事業者自身の運用効率化が進む一方で、鉄塔や基地局といったインフラの電源供給を担う「鉄塔事業者」が排出削減の盲点として置き去りにされている点です。通信事業者は自社の排出量を削減しても、実際の電力を消費・供給する鉄塔事業者が化石燃料に依存したままでは、全体としてのネットゼロは絵に描いた餅に過ぎません。この「実体」、つまり鉄塔事業者の排出量は測定されにくく、削減インセンティブも弱いという構造が、業界全体の目標達成を阻む現実です。記事はこの部分を「盲点」と表現し、業界団体のレポートがようやく指摘し始めた段階です。しかし、肝心の鉄塔事業者に対する具体的な規制や実行計画が示されていないため、現状は「実体が翻訳されていない」状態と言えます。通信事業者の排出量削減という物語の裏で、サプライチェーン全体の見直しが遅れています。次の観測点は、各国の規制当局がこの盲点をどう制度に組み込み、鉄塔事業者に再エネ転換を促すかです。