再エネ・技術

岩谷産業―水素で地域の脱炭素を

2026-07-17
岩谷産業がLPガス特約店会と連携し、国家プロジェクト「水素大動脈構想」の実現に向けて地域の脱炭素化に取り組む動きを報じている

専門家の視点

岩谷産業と全国LPガス特約店会「マルヰ会」による地域脱炭素化の取り組みは、水素ステーション30カ所新設という具体目標を掲げています。この計画の構造には「物語先走り」の傾向が認められます。国が推進する「水素大動脈構想」という壮大なビジョンに対し、実体として大型商用燃料電池トラックの需要がいつどの程度発生するのか、その見通しが記事からは読み取れません。水素ステーションの収支は利用台数に大きく依存するため、供給網を先に整備しても需要が追いつかなければ設備が遊休化するリスクが潜んでいます。この取り組みが成功するかどうかの核心は、岩谷産業が地域のLPガス特約店と連携して、どの業種のどの企業に、いつ、どのような形で水素を使ってもらうのかという「実行レイヤーの具体性」にかかっています。また、大型トラックだけでなく、同じステーションから地域の工場や物流拠点への水素供給が同時に動き出すのかも不明です。この記事が当然としている「水素供給網を先に作れば需要は後からついてくる」という前提は、これまでの水素社会構想の実績を振り返ると決して自明ではありません。

岩谷産業は全国LPガス特約店会「マルヰ会」と二人三脚で、地域の脱炭素化に取り組む。国家プロジェクト「水素大動脈構想」の実現に資するため、同社は今後、福島県から福岡県に至る幹線道路に水素ステーション(ST)を30カ所新設する。大型商用燃料電池(FC)トラックの利用を促しながら、各水素STを中心とした地域での水素利用を創出する。6月29日に開催した第69回全国マルヰ会総会(会場=ANAクラウンプ...

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