企業動向

通信業界の脱炭素化 鉄塔事業者が「盲点」 GSMAが指摘

電波新聞デジタル 2026-07-17
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。

専門家の視点

通信業界の脱炭素化において、基地局やデータセンターより鉄塔事業者が「盲点」と気づかれにくい点が、現実の排出構造と注目の偏りとのズレを示しています。実体として、携帯電話の利用が増えるほど鉄塔に電力を供給するディーゼル発電機の稼働が拡大するという物理的な矛盾が存在します。一方、物語としては5Gやクラウドの効率化が前面に出がちですが、鉄塔というオフグリッド領域の排出がカバーされていません。期待レイヤーでは、GSMAという業界団体の指摘によって投資家や規制当局の関心が急に鉄塔事業者へ向く可能性がありますが、実行レイヤーである各鉄塔運用会社に再生可能エネルギーへの切り替えやバッテリー導入が追いつくかは不透明です。ここで見える構造は「物語先走り」です。通信のデジタル化が脱炭素に貢献するというポジティブなフレームが先行し、鉄塔という裏方のインフラが抱える実質的な排出課題が翻訳されていません。このズレを解消するには、通信事業者が自社のScope1と2だけでなく、鉄塔事業者を含むサプライチェーン全体の排出を可視化し、省エネルギー目標に組み込む必要があります。

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