再エネ・技術

NGKと京都フュージョニアリング、核融合発電向け溶融塩技術を共創

2026-07-16
NGKと京都フュージョニアリングが核融合発電向け溶融塩技術の共創を開始し、カーボンニュートラル社会とエネルギー安全保障への貢献を目指す

専門家の視点

NGKと京都フュージョニアリングが核融合発電向けの溶融塩技術で協業を発表しました。実体として、NGKはセラミックスや化学技術に強みを持つ既存企業であり、京都フュージョニアリングはスタートアップとして核融合炉の設計を進めています。しかし、核融合発電そのものが実証段階に遠く、商業運転は2030年代以降とされる中、溶融塩技術の適用時期や具体的なKPIは記事から読み取れません。物語としては、カーボンニュートラルやエネルギー安全保障といった大きな目標にフレーミングされていますが、実現可能性の検証や失敗への対応策は示されていません。期待は、政府のGX基本方針や投資マネーの流れを背景に先行している状態です。ここでの構造は「物語先走り」であり、技術の開発段階と社会実装の時間軸に大きなギャップがあります。隠れた前提は「核融合が2050年までに実用化される」という楽観的スケジュールですが、現実にはプラズマ制御や材料耐久性などクリアすべき課題が山積しています。次の観測点は、両社が今後どのようなマイルストーンを設定し、資金調達や人材確保を具体化するかです。

NGKと京都フュージョニアリングは、フッ化リチウムとフッ化ベリリウムの溶融塩(FLiBe)とそのFLiBe循環システムの共同開発/事業化に向けた戦略的覚書を締結した。 NGKと京都フュージョニアリングは2026年7月16日、核融合発電プラントの実証設備で使われるフッ化リチウムとフッ化ベリリウムの溶融塩(FLiBe)とそのFLiBe循環システムの共同開発/事業化に向けた戦略的覚書を締結したと発表した。両社は同連携により、核融合発電プラントの実用化に向けた技術開発を進める。 核融合発電で得られるフュージョンエネルギーは、カーボンニュートラル社会とエネルギー安全保障に貢献する次世代エネルギーとして、国内外で開発が加速している。実用化には、核融合反応を起こす中心部分の技術だけでなく、熱を取り出す仕組みや燃料となるトリチウムを増やして回収する仕組み、周辺の循環システムなどの技術確立が必要となる。 FLiBeは、これらのシステムを支える冷却材やトリチウムを増やす材料として期待されている。しかし、ベリリウムなど、取り扱いが難しい原材料の品質管理や循環システムへの適応に関する技術確立が求められている。 一方、NGKは、1958年に日本で初めてベリリウム銅の工業化に成功して以降、ベリリウムを用いた材料の製造/供給を担い、安全な取り扱い、品質管理、精製/分析に関する知見を蓄積してきた。 また、京都フュージョニアリングは、フュージョンプラントエンジニアリングの専門集団として、プラズマ加熱システムをはじめ、プラント全体を俯瞰したシステム設計、熱流体解析、トリチウム増殖/回収システムの開発などにおいて知見を有しており、各国の政府機関や研究施設、企業との連携を通じて技術とノウハウを提供している。 今回の連携では、フュージョンプラント用途におけるFLiBe関連技術の開発を進めるとともに、国内外の顧客ニーズを踏まえ、将来的な事業化および供給体制構築を進める。併せて、材料の製造/精製から、循環システムの実機適用、顧客ニーズに基づく仕様検討までを一体的に進めることで、フュージョンエネルギーの社会実装に必要なシステムの構築を目指す。 同連携における両社の役割に関して、NGKは、ベリリウムの取り扱いや精製に関する知見を生かし、FLiBeの製造、純化/精製、分析/評価などの材料/プロセスに関する技術開発を担う。 京都フュージョニアリングは、核融合発電プラントの設計/開発の知見を生かし、FLiBe循環システムの設計検討、循環試験、熱輸送や装置寿命の評価など、システム領域の技術開発を担当する。 両社は同連携を通じて、FLiBeの製造/精製や品質評価、循環システムでの検証に加え、顧客ニーズを踏まえた仕様検討を進めることで、核融合エネルギーの社会実装に必要な材料やプロセス、システムの基盤構築に取り組んでいく。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. フィジカルAI時代における日本のロボットメーカーの取り組み スパイバーはなぜクールジャパン機構の出資を受けていたのか ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境

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