再エネ・技術

半固体電池の世界市場、2040年に1.2兆円規模に

2026-07-15
富士経済の調査で、半固体電池の世界市場が2040年に1.2兆円規模に拡大するという予測が発表された。

専門家の視点

半固体電池の世界市場が2040年に1.2兆円規模へ拡大するとの予測は、2030年代以降の本格普及を見据えた長期見通しとして捉える必要があります。実体としては、現時点での半固体電池はまだ量産初期段階にあり、コスト低減や生産設備の拡充が進むかどうかが鍵です。物語としては、全固体電池に比べて早期の実用化が可能というフレームで、市場成長への期待が前面に出ています。しかし、目標達成のための具体的なロードマップや中間時点でのKPIが示されていない点は、物語が先行している兆候と言えます。特に、電気自動車向け需要が主要な牽引役と予測されますが、充放電サイクル寿命やエネルギー密度の現状が市場予測と整合しているかの検証は記事からは読み取れません。隠れた前提として、2040年までに半固体電池が既存のリチウムイオン電池を完全に代替可能なコスト水準に達している、という点がありますが、代替ではなく共存シナリオも十分に想定されます。本予測は、期待先行のリスクを内包しつつ、半固体電池技術の現実的な普及経路を描くための観測点として機能しています。

富士経済は2026年7月、半固体電池の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると、2040年の同市場は2025年比で3.9倍の1兆2184億円に拡大すると予測している。 富士経済は2026年7月、半固体電池の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると、2040年の同市場は2025年比で3.9倍の1兆2184億円に拡大すると予測している。 現在主流の液系リチウムイオン電池などは、発火や液もれのリスク、高エネルギー密度化の限界といった課題があり、これを克服する次世代電池としては全固体電池が本命とされている。しかし、全固体電池は量産体制の構築や性能向上に向けた開発・実証段階にあり、市場は確立していない。 半固体リチウムイオン電池は、液系リチウムイオン電池の製造設備を活用できることや、電解液量が少なく発火の危険性が低減されるなどの特徴がある。そのため全固体電池の大型化・量産技術が確立されるまでのブリッジ技術として、中国を中心に商用化が進んでいる。 用途としては、定置用蓄電池(Energy Storage System = ESS)としての導入が増えているほか、安全意識の高まりからモバイルバッテリーも商品化されている。またEVにおいても採用車の発売が本格化しているという。特にESSでは、大規模火災の防止や低コスト要求への対応、低温環境での動作が可能であることなどから、液系リチウムイオン電池や全固体電池よりも優位になる可能性があるとしている。 将来的には、全固体電池の普及により市場成長は鈍化するとみられるが、性能や価格の比較で全固体電池と使い分けされながら採用が進むとしている。2035年には1兆円を超えると予測しており、市場拡大に向けてはさらなるエネルギー密度の向上や、最適な固体電解質比率の模索、製造プロセスの最適化が必要とした。 2026年の固体電池における金額ベースの半固体電池比率は96.8%の見込み。全固体電池は研究開発・実証段階にあり、2020年代後半までは比率に大きな変化はないが、2030年以降にEV向けに全固体電池の商用生産が開始されるとみられる。それに伴い、2040年の半固体電池比率は34.4%まで低下すると予測した。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境

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