企業動向

荷主企業が主体となる新たな脱炭素物流モデルが始動

euglena.jp 2026-07-14
ユーグレナ等4社が、荷主企業が主体的に参加・コスト負担する新たな脱炭素物流モデルを開発し運用を開始した。

専門家の視点

サプライチェーン全体でのScope3削減という物語に対して、実体は10トントラック1台・茨城県内2拠点間の限定的運用であり、両者の間に明確なギャップがあります。この取り組みの構造的な特徴は、荷主企業が「費用負担」という形で参加する点にありますが、これまで輸送事業者に委ねられていたコストを荷主が肩代わりするという経済合理性の説明が不足しています。バイオ燃料「サステオ51」は既存インフラを活用できる点で導入障壁は低いものの、供給量の規模感や価格競争力に関する具体的な数値が示されていません。また、改正省エネ法の非化石エネルギー自動車として報告できる点は制度面の追い風ですが、それが企業のScope3削減目標に対してどの程度の寄与率になるのかは不明です。このプロジェクトは「荷主主体」という新たな実行レイヤーを創出した点で重要な一歩ですが、現時点では実体が物語に追いついていない物語先走りの構造です。次の観測点は、このモデルを他地域・他業態へ展開する際のスケールメリットとコスト低減の時間軸、および荷主企業が費用負担に見合う価値を得られるかどうかの検証結果です。

荷主企業が主体となる新たな脱炭素物流モデルが始動バイオ燃料「サステオ」による拠点間輸送を開始 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲 充、以下「ユーグレナ」)は、丸紅ロジスティクス株式会社、丸紅エネルギー株式会社、篠崎運輸株式会社と連携し、荷主企業も参画する新たな脱炭素物流モデル※1の取り組みとして、2026年7月1日より、バイオ燃料「サステオ」を用いたトラックによる荷主の拠点間輸送を開始しました。 本取り組みの特徴は、燃料供給会社や物流会社だけでなく、商品輸送を依頼する荷主企業が主体的に参加し、物流由来の温室効果ガス排出量(Scope3)の削減に取り組む点です。これまで輸送事業者側の取り組みに委ねられることが多かった物流の脱炭素化を、荷主企業も含むサプライチェーン全体で進める新たな取り組みとなります。■背景 近年、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出削減の重要性が高まっています。特に、物流に伴って発生する排出量は「Scope3」に含まれ、 企業の脱炭素経営における重要な課題となっています。 その一方で、物流分野における燃料の選択や環境負荷低減の取り組みは、主に輸送事業者側が担っており、荷主企業が主体的に関与できる仕組みは限定的でした。 今回、ユーグレナ、丸紅ロジスティクス、丸紅エネルギー、篠崎運輸は、荷主企業も参画する物流モデルを構築し、物流の脱炭素化に向けた取り組みを開始しました。 ■取り組み概要 本取り組みでは、軽油の代わりに、ユーグレナが供給する次世代バイオディーゼル燃料「サステオ51」を使用したトラック輸送を実施します。サステオ51は、燃料の51%にバイオ由来のHVO※2を使用しており、従来の軽油と比べて温室効果ガス排出量の削減に貢献します。 丸紅ロジスティクスによる物流スキーム全体設計と運用管理のもと、丸紅エネルギーは、ユーグレナから調達したサステオ51を篠崎運輸に供給し、篠崎運輸は、専用車両(10トントラック1台)を用いて茨城県内の2つの物流拠点間で輸送を行います。 <各社の役割>・ユーグレナ:バイオ燃料「サステオ51」の供給・丸紅エネルギー株式会社:燃料の調達・供給・篠崎運輸株式会社:燃料を使用した輸送オペレーション・荷主企業:低炭素輸送の採用および費用負担・丸紅ロジスティクス株式会社:物流スキーム全体設計・運用管理 なお、特定荷主※3および特定輸送事業者※4が、HVO51%混合の「サステオ51」を専用車両で使用する場合、バイオ燃料の混合割合が過半を占めることとなり、改正省エネ法※5で提出が義務付けられている中長期計画において「非化石エネルギー自動車※6」として報告することが可能です。また、「サステオ51」を使用することでCO2排出量の削減が可能となり、効率的な温室効果ガス排出削減への貢献が期待されます。■本取組のポイント① 荷主企業が主体となる脱炭素物流(Scope3削減)商品輸送を依頼する荷主企業が脱炭素化に主体的に参画し、環境負荷低減に伴うコストや取り組みを物流事業者だけに依存することなく、物流に伴う温室効果ガス排出量(Scope3)の削減策として活用できるモデルです。 ② 既存車両/設備をそのまま活用可能で導入しやすいサステオは、既存のディーゼル車両や燃料供給インフラをそのまま活用できるドロップイン燃料です。車両の入れ替えや給油設備の新設などの大規模な設備投資を必要とせず、燃料を切り替えるだけで導入可能です。また、特定の車両や輸送区間など限定的な範囲から運用を開始できるため、輸送事業者や荷主企業にとって導入のハードルが低く、サプライチェーン全体での脱炭素化を推進しやすいモデルです。■今後の展開 ユーグレナは、バイオ燃料の社会実装を加速させるべく、本取り組みで構築した物流スキームをベースに、荷主企業を含めたサプライチェーン単位での導入拡大を目指します。今後も、持続可能な社会の実現に向けて、パートナー企業との連携を強化しながら、脱炭素化に貢献してまいります。■次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」について 「サステオ」は、廃食油や植物由来油脂などを原料とする次世代バイオディーゼル燃料であり、既存のディーゼル車両や燃料供給インフラをそのまま活用できるドロップイン燃料※7です。ライフサイクル全体でのCO2排出量削減が期待されており、脱炭素社会の実現に貢献します。 ※1 Scope 3(物流)を含む排出削減※2 HVO(Hydrotreated Vegetable Oil):使用済み食用油、植物油等の油脂原料を水素化処理することで製造される次世代バイオディーゼル燃料。軽油と同等の性状を有し、既存のディーゼルエンジンにそのまま使用可能。※3 特定荷主:貨物輸送事業者との契約等により年間輸送量

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