現代自動車の燃料電池トラックが「ル・マン24時間」デビュー!? 水素によるモータースポーツの脱炭素化を実証! - fullload.bestcarweb.jp
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。
専門家の視点
現代自動車の水素燃料電池トラックがル・マン24時間レースのサポートトラックとして投入されるという発表には、確かに象徴的な意味があります。実体として、公道走行可能な大型水素トラックが実際に耐久レース会場で運用されるという計測可能な事実が存在します。しかし、この記事が「水素によるモータースポーツの脱炭素化を実証」と掲げる物語は、実体よりも先走りしている構造です。ル・マン本戦で水素車両が競走するのは2030年以降とされており、今回のサポート役はあくまで補助的な実証段階です。肝心の水素の製造工程で化石燃料を使えばWell-to-Wheelでの脱炭素とは言えず、グリーン水素の大規模調達という現実的な制約が省略されています。この物語先走りは、水素モビリティへの期待を一気に高める効果を持ちますが、社会や投資家が「すぐに水素トラックが普及する」と誤解するリスクをはらみます。現在の日本の水素ステーション整備状況やコスト競争力を考えると、レース会場という特例環境の成功を一般化するのは危険です。次の観測点は、現代自動車がグリーン水素をどの調達ルートで、いくらのコストで確保するのかという現実的な数字です。