制度・政策

洋上風力の収入保証3.5倍の70万円上限に 経産省、物価高でてこ入れ

2026-07-14
経産省が洋上風力など脱炭素電源向けの長期脱炭素電源オークションで、収入保証の上限を3.5倍の70万円に引き上げ、2026年度入札から適用する

専門家の視点

洋上風力の収入保証上限を従来の3.5倍に引き上げる施策は、物価高や資材費上昇という実体に制度が追いついてきたことを示します。長期間の固定収入保証枠を拡大しても、実際に事業者が恩恵を受けられるかは、入札価格が上限を下回るかどうかに依存します。物語の中心は「投資しやすい環境を作る」ですが、実体として埋設コストや人材不足の現状が変わるわけではありません。期待の面では、この引き上げで新規参入や案件形成が加速する見方がある一方、欧州並みの事業環境からは依然としてギャップがあります。 構造的なズレは「実体が翻訳されていない」領域です。制度設計は物価高を反映したものの、風車の大型化や港湾インフラ整備、系統増強といった事業実現の前提条件には直接手がついていません。つまり、収入保証だけ拡大しても、導入可能な洋上サイトそのものが不足する可能性があります。 隠れた前提は「収入保証額の上限引き上げが投資判断の決め手になる」という見立てです。実際には、裁定価格の透明性や環境アセス期間の長期化といった制度運用の不確実性が、企業の最終決定を鈍らせる要因として横たわっています。

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