建築物脱炭素化でシンポジウム 新制度「関係者連携が不可欠」 国交省
国土交通省と経済産業省が改正建築物省エネ法に基づく建築物のライフサイクルカーボン評価制度の運用開始前のシンポジウムを開催し、関係者連携の重要性を強調した。
専門家の視点
このシンポジウムの構造は「実体がまだ準備中であるのに、物語だけが先に走り始めている」という状態です。国交省と経産省が制度の運用開始を前にシンポジウムを開き、ライフサイクルカーボン評価の重要性と関係者連携の必要性を強調しています。しかし、肝心の評価基準や算定方法、データベースの整備状況といった実体は、まだ具体的に固まっていない可能性が高い。物語の部分では「連携が不可欠」と繰り返されますが、誰がどのタイミングで何を実行するのか、という実行レイヤーが明確に示されていません。ここに「物語先走り」の構造があります。特に、この制度の時間軸を考えると、建築物の設計段階から資材調達、施工、運用、解体までの長期間にわたるデータ収集と評価が求められるため、実体整備が遅れるほど制度の実効性は低下します。ある前提を問い直せば、この制度は「評価すること自体が目的化」していないでしょうか。評価の先にある、CO2排出削減行動をどう促すかという出口設計が抜け落ちると、制度は書類上の手続きに堕します。次の観測点は、評価結果を建築確認や不動産金融にどう連動させるか、つまり実体と物語を結ぶ「制度のフック」の具体化です。