企業動向

Samsung C&T社との水素・アンモニアバリューチェーン強靭化に向けた協業に関する覚書締結について | プレスリリース(2026年) | JERA

jera.co.jp 2026-07-13
JERAと韓国Samsung C&T社が水素・アンモニアバリューチェーン強化に向けた協業覚書を締結した。

専門家の視点

今回のJERAとSamsung C&Tの覚書は、水素・アンモニアバリューチェーンにおける「実体」と「物語」の間に、明確な時間差が存在する構造です。実体としては、JERAが2029年度に国内初の低炭素アンモニアバリューチェーン構築を掲げ、経済産業省の支援制度という具体的な制度基盤が存在します。一方、覚書の内容は需給融通や炭素集約度管理といった、まだ共同検討段階の項目に留まっています。ここでの物語は「日韓連携による強靭なサプライチェーン構築」ですが、本格的な商業運転や数量コミットメントには至っておらず、物語が実体よりも先行している構造です。また、この協業の成否を分ける隠れた前提は、低炭素アンモニアの価格競争力が自然に確保されるという点です。現状では、価格差支援制度に依存しており、支援終了後の自立性は不透明です。次の観測点は、両社が2029年までの間に具体的な調達数量や価格条件をいつ開示するかです。実証段階から商業段階への移行が可視化されなければ、期待先行で終わる可能性があります。

株式会社JERAは、このたび、大韓民国の総合商社であるSamsung C T Corporation商事部門(以下、「Samsung C T社」)との間で、水素・アンモニアバリューチェーンの強靭化に向けた協業に関する覚書を締結しました。 本覚書に基づき、Samsung C T社とともに、水素・アンモニアのポートフォリオの最適化とバリューチェーンの強靭化に向けて、以下事項等について共同で検討を進めることで、水素・アンモニアの安定供給の実現を目指してまいります。 <Samsung C T社との共同検討事項> ・需給状況や市況環境に応じたアンモニアの融通等を通じたオペレーション上の柔軟性強化 ・タンク等における炭素集約度(CI値)の管理方法 Samsung C T社は、世界的に拡大する低炭素アンモニア需要に対応し、安定したサプライチェーンの構築に努めるとともに、水素事業のポートフォリオの継続的な拡大に取り組んでいます。 一方、当社は、経済産業省の価格差に着目した支援制度※および拠点整備支援制度・長期脱炭素電源オークション(2024年度)のもと、2029年度を目途に日本国内で初となる低炭素アンモニアのバリューチェーンの構築を目指しています。 日本および韓国において、水素・アンモニアの社会実装に先駆的に取り組む両社が協力することで、日韓両国の脱炭素化を推進するとともに、当社が掲げる「JERAゼロエミッション2050」の実現にも貢献するものと考えています。 当社は、今後とも国内外の有力企業と連携しながら、水素・アンモニアのバリューチェーンの強靭化と拡大に取り組むことで、アジアを中心としたグローバルな脱炭素化とエネルギー問題の解決に貢献してまいります。 ※ 価格差に着目した支援は、認定を受けた低炭素水素等供給事業者が認定計画に従って継続的に低炭素水素等の供給を行うため、低炭素水素等の価格(基準価格)と既存燃料・原料の価格(参照価格)の差額に着目した支援を行う制度 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律(水素社会推進法)|資源エネルギー庁 写真左から、加藤雄一郎 株式会社JERA LCFバリューチェーン統括部長、Edward Cho Executive Vice President, Samsung C T

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