日本初の高圧水素導管、JFEエンジが建設契約 総延長4km
JFEエンジが国内初となる高圧水素導管の建設契約を結んだ。
専門家の視点
高圧水素導管という物理インフラの建設契約が締結されたことは、水素サプライチェーンにおける「実体」の一歩です。総延長4kmという距離は、産業地向けの実証・起点としては合理的ですが、全国展開を見据えた際には極めて限定的な規模です。ここで注目すべきは「物語」とのズレです。日本政府や関連企業は「水素社会の実現」を掲げていますが、今回の導管は特定の臨海工業地帯におけるパイロット的な位置づけに過ぎません。つまり、物語(水素が主要エネルギーになるビジョン)が走りすぎている一方で、実体(導管延長・供給量・需要家の確保)はまだ試験段階であるという構造です。また、この導管を「誰が維持・管理し、誰がリスクを負うのか」という実行レイヤーが記事からは不明瞭です。高圧水素の漏洩リスクや保安基準は、天然ガスとは比較にならない厳しさがあり、運営コストや人材育成の現実が物語に追いついていない懸念があります。隠れた前提への問い直しとしては、「水素導管の建設が、本当に水素需要の拡大に先行できるのか」という点です。需要が整備スピードに追いつかなければ、導管は巨額の固定費を生むだけのインフラになるリスクをはらみます。