制度・政策

闘論席:「サステナはオワコン」と誰が言うた 磯貝友紀

2026-07-12
トランプ次期米大統領の反ESG動きと高市早苗政権のGX離れの流れを論評。

専門家の視点

この記事の核心は、「サステナビリティは終わった」という物語が市場で流布している一方で、実体としての脱炭素投資や規制の動きは依然として継続しているというズレです。トランプ政権の反ESGや高市政権のGX離れは、あくまで政治レイヤーでの「物語」の転換であり、企業のサプライチェーン全体で求められるScope3排出削減や、EUの炭素国境調整措置(CBAM)といった制度の実体は動きを止めていません。問題は、この物語の変化が投資家や企業の「期待」を過度に萎縮させ、実際の技術導入や長期契約の判断を遅らせている点です。つまり、実体が物語に適切に翻訳されず、期待だけが先行して冷え込む「期待欠落」の構造が生まれています。ここで問うべきは、「サステナがオワコンか」ではなく、「誰が、どの実行レイヤーで、どの時間軸で動くのか」という視点です。政治の物語と現場の実体の乖離を放置すれば、日本企業はグローバル市場での競争力を失うリスクを抱えます。観測点は、日本政府のGX政策と企業のScope3対応の同期がいつ再開されるか、にあります。

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