企業動向

ペニンシュラ社と共同で欧州における舶用燃料アンモニア・バンカリング事業会社を設立|伊藤忠商事株式会社

itochu.co.jp 2026-07-11
伊藤忠商事がPeninsula社と共同で欧州に舶用燃料アンモニアのバンカリング事業会社を設立し、脱炭素化と燃料アンモニアの社会実装を推進する。

専門家の視点

アンモニアは燃焼時にCO2を排出しないため、国際海運の脱炭素燃料として期待されていますが、実体として燃料アンモニアの供給網、バンカリング設備、エンジン技術、安全基準のいずれも商用段階にありません。本件は、その未成熟な実体に対して、事業会社設立という具体的な制度的枠組みを先行させる「物語先走り」の構造が読み取れます。記事内で「統合型プロジェクト」と掲げるビジョンは壮大ですが、肝心の「どの港で、いつから、どの程度の量を供給するのか」という実行レイヤーの具体的なKPIが欠落しています。また、欧州主要港での供給体制構築としながら、現在アンモニアバンカリングの国際安全基準(IGFコード等)の策定は途上であり、船側と陸側の制度間非対称性が存在します。特に、アンモニアの毒性への対応(漏洩時の避難・換気基準)は地域ごとに差異があり、欧州で先行しても他地域との互換性が担保されない可能性が隠れた前提です。この構造は、実体(技術・インフラ)よりも、まず市場と規制の枠組みで先行しようとする日本企業の脱炭素戦略の典型と言えます。

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、舶用燃料供給のグローバルリーディングカンパニーであるペニンシュラ・ペトロリウム社(以下「ペニンシュラ社」※1)とともに、欧州主要港であるアルヘシラス港、ロッテルダム港、アントワープ・ブルージュ港(以下「欧州主要港」)を中心に舶用燃料アンモニアのバンカリング(供給)事業を推進するため、I P Marine Ammonia社(以下「IPMA」)を設立したことをお知らせいたします。 アンモニアは国際海事機関(IMO)が推進する温室効果ガス(GHG)排出削減の観点から、ゼロ・エミッション燃料として世界的に期待されています。伊藤忠商事は2023年にペニンシュラ社とアンモニア・バンカリングの共同開発に関する覚書を締結※2し、今回は燃料供給体制の構築を加速するために、共同でIPMAを設立しました。IPMA社の設立は、アンモニアの舶用燃料利用を世界規模で社会実装する為の重要なマイルストーンであり、伊藤忠商事とパートナー企業が進める『統合型プロジェクト※3』の実現に向けた重要なステップとなります。 ペニンシュラ社はLNGやバイオ燃料を含む舶用代替燃料分野にも積極的に取り組んでおり、欧州や地中海域の主要企業と強固なネットワークを構築し、多くの実績を有しています。その豊富な知見と経験は、欧州におけるアンモニア・バンカリング体制の構築に大きく寄与することが期待されます。伊藤忠商事は、国際海上物流の要衝である欧州主要港を中心に、ペニンシュラ社や将来のパートナー企業と連携しアンモニア・バンカリングの共同開発を推進します。 また、伊藤忠商事は、シンガポールをはじめ、欧州主要港やパナマ、中東、日本など世界各地でパートナー企業と連携し舶用アンモニア燃料サプライチェーンの構築を目指しています。大型ばら積み船やコンテナ船向けのアンモニア燃料船の開発・保有、資金調達、荷主との協業、アンモニア・バンカリング拠点の開発、燃料アンモニアの調達やグリーンアンモニア製造事業への参画など、これらの取り組みを一体的に推進することで『統合型プロジェクト』の実現を目指し、国際海運の脱炭素化および燃料アンモニアの社会実装をリードしていきます。 伊藤忠商事は、これらの取り組みを通じて、持続可能なエネルギーシステムの構築を加速化することで、中期経営計画「The Brand-new Deal ~利は川下にあり~」の基本方針である『「SDGs」への貢献・取組強化』を着実に実行し、低炭素化社会の実現を目指します。

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