制度・政策

「バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業」への業界団体等の二次公募について

env.go.jp 2026-07-11
環境省がバリューチェーン全体の脱炭素化推進モデル事業の二次公募を開始し、Scope3算定ルールの共通化を支援する。

専門家の視点

環境省のScope3算定ルール共通化支援は、実体面で企業の算定負荷軽減という意義を持ちます。しかし、物語として「バリューチェーン全体の脱炭素化推進」を掲げる一方、本事業が扱うのはScope3算定ルールの共通化に限定されています。削減行動そのものではなく、あくまで測定・報告の枠組み整備が中心であり、ここに「物語先走り」の構造的ズレが生じています。つまり、ビジョン(推進)と実体(算定ルール整備)の間に距離がある。 加えて、実行レイヤーの観点から見ると、業界団体等を公募対象としている点が鍵です。算定ルールが策定されても、それを現場の個別企業が実行できる人材やシステムを持っているかは別問題です。制度導入のスピードに現場の実装能力が追いつかないという、制度・手続きの非対称性が潜んでいます。 隠れた前提として、「算定ルールが共通化されれば自ずと削減行動が進む」という暗黙の仮定です。しかし、ルールがあっても、具体的な削減技術の導入やサプライヤーとの協働を促すインセンティブ設計がなければ、実質的な排出削減には結びつきにくいというのが現実です。

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