【研究ノート】エネルギー安定供給法案(脱・脱炭素法案)
専門家の視点
この論考は、脱炭素政策そのものを科学的根拠・費用対効果・エネルギー安全保障の三点から全否定し、関連法令の一括廃止を提案するものです。構造的に見ると、「実体」として気温上昇の鈍化効果が微小であることや再エネ導入のコスト増を挙げる一方で、それらがどの程度の確度・前提に基づく数値か(IPCCの不確実性の幅や、比較対象とするベースライン)については深掘りされていません。「物語」は「脱炭素は国益を損なう」と明確にフレームされていますが、その根拠となる気候危機否定の主張が主流の科学コンセンサスから大きく乖離している点で、物語が科学的実体に対して強い先走りを示しています。また、GX投資150兆円は既に政策として動き出しており、関連産業や雇用に依存する主体が存在するという社会的実体を無視して、即時全廃が可能だと想定しています。この点で「実体が物語に翻訳されていない」のではなく、むしろ「物語が実体(政策の不可逆性・社会的慣性)を意図的に切り捨てている」構造です。
ワーキングペーパー エネルギー・環境 2026.07.10 エネルギー安定供給の確立のための脱炭素関連法令の廃止等に関する法律案 日本では2050年温室効果ガス実質ゼロを目標に掲げるグリーントランスフォーメーション(GX)計画の下でエネルギー基本計画が策定されるなど、脱炭素がエネルギー政策に優先されるという本末顛倒の状態にある。 だが脱炭素を正当化する気候危機説には科学的根拠はない。このことは米国気候作業部会報告等によって明らかにされてきた。食料生産の増加などCO2の便益は明らかである。その一方で台風などの災害の激甚化は統計的に確認されておらず、この状態は今世紀の終わりまで続くことはIPCCも認めるところである。 また日本が2050年までにCO2排出をゼロにしたとしても、それによる地球平均の気温低下は0.006℃以下に過ぎない。脱炭素政策は、費用対便益の観点から正当化不可能である。 一方で脱炭素政策の弊害は明白である。石炭の利用が抑制されることはエネルギー安全保障を損なっている。再エネの推進は光熱費高騰を招き経済を損なっている。政府計画どおりに進むと脱炭素には今後10年で150兆円が投資されるが、これは極めて効率の悪い投資であり経済を衰退させる。2040年断面での電気代は年間30兆円規模で増加するおそれがある。これは国税分の消費税収を上回る規模である。 以上のことから、脱炭素政策をただちに全廃することが日本の国益である。 脱炭素に関連する法令は増え続けてきたために、これを一括して廃止するためには束ね法が必要になる。本稿は、その提案である。 【研究ノート】エネルギー安定供給法案(脱・脱炭素法案)
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