【国際】鉱物採掘での人権侵害申し立て、前年比73%増加。企業・投資家に警鐘。BHRC
国際人権NGOのBHRCが、再エネ・電化・バッテリー向け鉱物採掘現場の人権侵害申し立てが前年比73%増加したとする報告書を公表した。
専門家の視点
鉱物採掘での人権侵害申し立てが前年比73%増加したという数字は、脱炭素移行の「実体」が直面する根本的な矛盾を露呈しています。太陽光パネルやEVバッテリーに不可欠なリチウム、コバルト、銅の需要が急拡大する一方で、採掘現場では土地収用、水質汚染、強制労働といった侵害が拡大しているという事実です。 ここにあるのは「物語」と「実体」の深刻なズレです。GX推進を「クリーンな未来」と語る物語は、その原料調達の現場で生じている人権・環境負荷を体系的に省略してきました。サプライチェーン全体のKPIや監査制度は整備されつつありますが、報告書が示すのは申立件数の急増であり、これは実効性のある検証と是正メカニズムが追いついていない現実です。 特に注目すべきは、この構造が「期待先行」の投資リスクを生んでいる点です。ESG投資の拡大で企業への人権デューデリジェンス義務が強まるなか、採掘現場からの申立て増加は訴訟や操業停止リスクとして跳ね返ります。