中小企業の脱炭素を支援、広島県がコンソーシアムを設立
広島県が県内中小企業の脱炭素支援を目的とした官民一体のコンソーシアムを設立した
専門家の視点
中小企業の脱炭素支援という物語そのものには異論はありません。しかし、このコンソーシアム設立のニュースには、物語と実体の間に典型的なズレがあります。物語は「官民一体で支援する」と掲げますが、実体として問われるべきは「誰が、いつ、どの経路で、何を実行するのか」という実行レイヤーの具体性です。コンソーシアムは協力の枠組みに過ぎず、中小企業が直面する脱炭素の本質的なハードル——初期投資の回収期間の長さ、省エネ診断後の伴走支援の人材不足、排出量算定の手間——を解決する仕組みが、設立時点で組み込まれているかが成否を分けます。支援メニューが「補助金紹介」や「セミナー」にとどまるなら、それは既存の支援と変わらず、実体欠落のリスクをはらみます。もう一つの構造的論点は時間軸です。中小企業の脱炭素は、サプライチェーン全体の排出量削減(スコープ3)の要請に迫られており、大企業からの要求は待ったなしです。コンソーシアムの効果が出るまでに数年かかるなら、その間の中小企業の現場は制度の谷間に落ちます。この記事が当然としている「官民連携すれば支援は進む」という前提を、問い直すべきです。
広島県は9日、県内の中小企業の脱炭素に向けた取り組みを官民一体で支援するコンソーシアム(共同事業体)を立ち上げた。金融機関や経済団体、行政機関など17団体で構成する。初年度は共同でセミナーを開いたり、支援情報を発信したりして機運を高める。
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