再エネ・技術

徳島県=トヨタと水素ハイエースの協働実証を開始

2026-07-08
徳島県がトヨタと共同で水素エンジン搭載のハイエースの実証事業を開始した

専門家の視点

国内初の水素エンジンハイブリッド車の社会実証が、徳島県で開始されました。実体としては、トヨタのハイエースをベースにした車両を、県内の企業や大学が約2週間の期間、通常業務で走らせるという限定的な試みです。物語は「2050年カーボンニュートラルに向けた地産地消水素の可能性」と大きく描かれていますが、ここには二つの構造的ズレがあります。一つは時間軸の不整合です。短期間の実証で長期の社会実装に必要な耐久性や供給安定性を検証できるのかという疑問が残ります。もう一つは、水素の由来です。東亞合成の工場で製造される水素が、どのようなプロセスで作られるのか記事には明示されておらず、仮に化石燃料由来であれば、全体のライフサイクルで見たCO2削減効果は限定的になります。期待先行で物語が走る前に、実証の成功指標(KPI)が何か、そしてその水素が本当に「地産地消のグリーン水素」なのかが、次に観測すべき実体のポイントです。この実証は、技術の種まきとしては価値がありますが、成果を「国内初」というラベルだけで評価するのは危険であり、実体を伴わない物語に市場や政策が引きずられないようにする必要があります。

徳島県は7日、トヨタ自動車と協働し、国内初となる「水素エンジン ハイブリッド車」の社会実装に向けた実証を始めた。鳴門公園で同日、出発式を開いた。実証期間は12月22日まで。県内の企業や大学が通常業務で車両を運行し、実際のビジネス現場での実用性を検証する。 実証車両は、トヨタの水素エンジン ハイエース(ハイブリッドシステム)。水素エンジン車は、ガソリンの代わりに水素を燃料とする内燃機関を使い、走行時の二酸化炭素(CO2)排出をほぼ抑えられる。徳島県は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、地産地消の水素を活用した次世代モビリティの可能性を探る。 実施体制は、徳島県とトヨタ自動車が協働主体となり、東亞合成が特別協力する。東亜合成は自社の徳島工場に隣接地で水素ステーションを運営しており、この工場で製造された水素を、水素ステーションで実証車両に供給する。実証パートナーには、アオアヲ ナルト リゾート、ホテルリッジ、モアナコースト、海月館グループ、徳島大学、四国大学が参加する。

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