大阪ガス=J:COMに再エネ環境価値供給、仮想PPAで2028年10月から
専門家の視点
大阪ガスとJ:COMの仮想PPA契約は、2030年度のカーボンニュートラル達成というJ:COMの目標に対し、新たな太陽光発電所の建設を伴うことで「追加性」を担保している点が実体の核です。しかし、供給開始は2028年10月と7年先であり、2030年度達成に向けた時間軸は極めてタイトです。現時点では具体的な発電規模や設備認定の進捗が示されておらず、実体の裏付けが不足しています。 ここでの構造的ズレは「物語先走り」です。「追加性がある再エネ調達」という物語は壮大ですが、建設リードタイム、用地確保、系統接続といった物理制約が2028年以降の同時多発的な稼働をどこまで許容するかは不透明です。また、バーチャルPPAは環境価値のみを取引する仕組みであり、需要家が実際に再エネ電気を物理的に受電するわけではありません。この点が一般には理解されにくく、実体と物語の乖離を生みやすい構造です。 隠れた前提は「追加的な再エネ電源の開発が2030年までに計画通り進む」ことですが、日本の太陽光発電の許認可・建設遅延リスクは過去事例から無視できません。
大阪ガスとDaigasエナジーは6日、JCOM(J:COM)とバーチャルPPA(仮想電力購入契約)を結んだと発表した。J:COMが掲げる2030年度のカーボンニュートラル達成に向け、西日本エリアの戦略的パートナーとして、長期にわたり環境価値を供給する。供給開始は2028年10月を予定。 今回の契約では、新たに建設する太陽光発電所で生み出した環境価値をJ:COMの西日本エリアの拠点に供給する。既存の再生可能エネルギー電源ではなく、新たな電源開発を伴うため、再エネの普及拡大につながる追加性があるとしている。 バーチャルPPAは、需要家の敷地外にある再エネ発電所の電力から生じる環境価値を、需要家が仮想的に長期調達する仕組み。Daigasエナジーが代理店となり、大阪ガスとJ:COMが契約を締結した。Daigasグループは今後、独自の再エネメニューも組み合わせ、J:COMの西日本エリアの事務所や、放送・通信信号を各家庭に配信する中核設備であるヘッドエンド設備に、再エネ電気と環境価値を供給する。
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