制度・政策

EU、自動車の循環経済規則を正式採択 再生プラスチック利用義務など導入

2026-07-06
EUが自動車の循環経済規則を採択し、再生プラスチック利用義務などを導入した。

専門家の視点

EUの自動車循環経済規則は、再生プラスチック比率15%(6年後)・25%(10年後)という明確な数値目標を掲げ、拡大生産者責任やトレーサビリティ強化を組み合わせた点で、実体と物語は一貫しています。しかし、ここで見過ごせないのは「再生材の供給源と品質の担保」という実行レイヤーの不在です。使用済み自動車由来の再生プラスチック比率を20%と要件化しましたが、現状のリサイクル技術では自動車グレードの材料安定供給が不透明で、素材の統一規格も未整備です。つまり、制度(実体)は先行しているが、それを実現する産業基盤(物語の裏付け)が追いついていない状態です。加えて、不法輸出の禁止は中古車輸出市場に大きな影響を与え、アフリカ・東欧など受け入れ国での実質的な廃車処理能力の欠如という別の実体を無視しています。期待先行で市場が走ると、2027年以降に再生材不足とコスト高が顕在化し、ルール自体の見直しを迫られるでしょう。この規則が問うのは「規制の厳しさ」ではなく、それを実行する循環インフラと産業横断の協調体制が日本を含めてどこまで現実的に動くかです。

6月29日、欧州連合理事会(Council of the EU)は、車両設計の循環性要件および使用済み自動車(ELV)の管理に関する規則を正式に採択した。新規則は、自動車の設計・製造から廃車処理までのライフサイクル全体に循環性要件を導入し、自動車産業の循環経済化とサステナビリティ向上を目指す。 規則では、施行から6年後までに、新車製造に使用されるプラスチックの少なくとも15%を再生材とすることを義務付ける。施行から10年後には再生プラスチック比率を25%まで引き上げる目標を設定し、このうち少なくとも20%は使用済み自動車由来の再生プラスチックとする。 また、自動車メーカーに対し、製品のライフサイクル全体にわたる財政的・組織的責任を課す拡大生産者責任(EPR)を導入する。これにより、循環型設計の促進に加え、使用済み自動車の無償回収と適正処理の確保を義務付ける。 さらに、不法解体や不正輸出による「行方不明車両」への対応として、トレーサビリティと監視措置を強化する。廃車基準に該当した車両は認可処理施設で処理する必要があり、中古車としての再販売や輸出は認められない。走行不能な中古車の輸出も禁止される。 新規則は乗用車と小型商用車に全面適用され、大型車両、二輪車、特殊用途車両については限定的な要件が適用される。規則は施行から2年後に適用開始となる。 原文:Council greenlights rules for a more circular automotive sector ESG Journalでは、実務に役立つポイントや実践ガイド(テンプレート)を紹介しています!TNFD開示や自然資本への対応が進みつつあります。ぜひこの機会に自社の実務対応を再確認してください。🌍TNFD開示、自然資本への対応に関連する実務解説はこちら>>> ✅サプライチェーンにおける具体的なリスクと機会✅水リスク耐性チェックリスト付 ✅TNFDのLEAPアプローチとツールの関係✅主なTNFDツール比較表付 ✅自然移行計画の概要と作成方法✅自然移行計画例(企業の実例)の紹介

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