制度・政策

【EU】欧州委、PETボトル再生材含有率算定ルール採択。ケミカルリサイクルも対象

2026-07-04
欧州委員会がPETボトルの再生材含有率算定に関するMRVルールを採択し、ケミカルリサイクルも対象とした。

専門家の視点

EUがPETボトルの再生材含有率算定ルールを採択した背景には、廃プラスチック削減という「物語」と、実際のリサイクル市場の「実体」の間に開いた乖離があります。欧州委はケミカルリサイクル由来の再生材も算入対象としましたが、この技術はエネルギー消費が大きく、商用規模でのCO₂削減効果が未検証です。つまり「リサイクル率向上」という目標は掲げられても、それに伴う実質的な脱炭素効果が測定可能な形で制度に組み込まれていません。 ここでの構造的論点は、MRVルールの対象が「含有率」という数量指標に限定され、カーボンフットプリントやライフサイクル全体の環境負荷が評価対象外となっている点です。算定ルールが整うことで市場は期待先行で動きやすく、ケミカルリサイクル技術への投資は促進されるでしょう。しかし、実体としてのCO₂削減効果が確認されないまま制度が先行すれば、「物語」と「実体」のズレが拡大します。 このルールの隠れた前提は「再生材含有率の向上=環境負荷の低減」ですが、ケミカルリサイクルのエネルギー起源排出を考慮すると、この等式は必ずしも成立しません。

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