【フランス】パリ司法裁、ボルヴィックの「カーボンニュートラル」を誤認表示と判断
フランスの裁判所がダノンのボルヴィックによる「カーボンニュートラル」表示を誤認表示と判断した。
専門家の視点
パリ司法裁判所がダノンの「カーボンニュートラル」表示を誤認と判断した背景には、実体と物語のズレが明確にあります。実体として、製品ライフサイクル全体での排出削減が伴わないまま、オフセット購入だけで「中立」と称する表示手法が、欧州司法の場でついに否定されました。ここで問われたのは、物語(「カーボンニュートラル」というラベル)が、実体(実際の排出削減努力)を覆い隠す機能を果たしていたことです。期待の面では、消費者保護団体の訴訟が市場ルールを厳格化する流れを加速させています。 隠れた前提を問い直すなら、「カーボンニュートラル」という用語そのものが、削減とオフセットを同列に扱うことを許容してきた点です。この判決は、用語の定義に実体の裏付けを要求したと言えます。日本企業への示唆は明白で、「削減なしのオフセット」はもはやグリーンウォッシュと見なされる時代に入ったことです。構造的には、物語先走り型のGX対応が司法リスクを生む局面に入ったと観測します。次に注視すべきは、EUのエコラベル規制や企業のCO2削減主張に関する指令の動向であり、実体のない物語は待ったなしで是正される時間軸に入っています。