再エネ・技術

事業費は最大70億円/3階延べ6500―7000㎡/札幌市の丘珠空港ターミナルビル計画素案

2026-07-05
札幌市の丘珠空港ターミナルビル計画素案で、ZEB化や自然エネ活用による脱炭素化を推進する方針が示された。

専門家の視点

GX記事の分析です。本件は「実体(物理制約・経済合理性)」と「物語(脱炭素)」の間に明確な構造的ズレを抱えています。まず実体として、滑走路延長による旅客数倍増(50万→100万人)、発着便数増(70便/日)という空港機能強化と、新ターミナルビル建設(最大70億円)が確定しています。これは実体としての成長・拡大戦略です。一方、物語として掲げられた「ZEB化」「自然エネルギー」「脱炭素化」は、この拡大の結果生じる航空機からのCO2排出増大と矛盾します。省人化や防災機能は特定の目的に対しては有効ですが、脱炭素化は空港施設単体のエネルギー消費削減に限定され、航空機運航そのものの排出は射程外です。つまり、「空港の脱炭素化」という物語が、滑走路延長という実体のカーボンフットプリントを翻訳できていません。さらに期待レイヤーでは、リージョナルジェット通年運用による北海道内・近距離路線の需要拡大を見込む一方で、その需要が脱炭素と両立するという説明は示されていません。隠れた前提は「ターミナルビルのZEB化=空港全体の脱炭素」という等式です。これは物理的に成立しません。

札幌市は、札幌丘珠空港ターミナルビル基本計画(素案)をまとめた。規模は3階建て延べ6500-7000㎡を見込み、事業費は最大で70億円を想定している。2027年度から2カ年で設計と詳細仕様を進め、29年度に着工し、30年度の供用開始を目指す。 同空港は機能強化を図るため、30年をめどに滑走路を現在の1500mから1800mに延長する。これによりリージョナルジェット機の通年運用が可能になる。機能強化に伴い、年間旅客数は現在の50万人規模から、100万人規模に倍増する見込み。1日当たりの発着便数は70便となる。 新ターミナルビルの建設候補地は、エプロンサイドに設置する場所をターゲットとし、現ターミナルビル(延べ3620㎡)の南東側とした。東京航空局の敷地約1500㎡と、伊藤組の敷地約800㎡に建設する予定だ。現ターミナルビルの運用を維持しながら、新ターミナルビルを建設する。 延べ床面積は、現ターミナルビルと合わせて1万㎡以上を確保する。最終的には、両ターミナルビルを渡り廊下でつなぎ、旅客と業務のシームレスな動線を確保する。 現ターミナルビルをオフィスや貨物、ビジネスジェット用に再構築し、新ターミナルビルは旅客スペースを最大限確保する。 新ターミナルビルは、自動チェックイン機や自動手荷物預け機など最新技術を導入し、省人化とスムーズな手続きを進める。避難者向けの滞留スペース、備蓄品、電源設備を確保するほか、丘珠駐屯地とも連動し防災拠点機能を担う。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化の推進や自然エネルギーを活用した設計により、脱炭素化を進める。

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