三菱ガス化学、インドからグリーンメタノール調達 : 化学工業日報 電子版
三菱ガス化学がインドからグリーンメタノールを調達することを報じている。
専門家の視点
三菱ガス化学によるインドからのグリーンメタノール調達は、実体としては供給源の地理的多様化とカーボンフットプリント軽減という具体的な一歩です。しかし、ここでの核心は「グリーンメタノール」の定義と認証基準が国際的に統一されていない点にあります。同社はどのような環境価値を購入するのか、その検証可能性は担保されているのでしょうか。物語としては「脱炭素への貢献」が強調されますが、グリーンメタノールの生産過程で使用される電力源や原料のカーボン回収率といった実体が不明瞭なままでは、物語が先行している構造と見なせます。さらに、調達量や価格競争力、国内需要との整合性といった具体的な数値が記事からは読み取れず、期待先行のリスクもはらみます。日本企業が海外グリーン燃料に依存する構図は、自国での生産基盤や技術開発の遅れという実体欠落を隠蔽しやすい。この調達はあくまで短期的なポートフォリオ戦略にすぎず、中長期的には日本国内でのメタノーション技術やCO2原料化の社会実装が不可欠でしょう。構造的なズレは、グリーンメタノールの「調達先多様化」という実体と、「脱炭素の本命」という過大な物語の間にあります。