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マイクロン、AI需要で広島工場増強へ起工式 1.5兆円投資 - EE Times Japan

2026-07-05
マイクロンがAI需要に対応し広島工場を増強するため起工式を実施、約1.5兆円を投資すると報じた記事。

専門家の視点

広島工場への1.5兆円投資は、AI需要の実体が半導体製造という物理的投資に確実に翻訳されている好例です。しかし、「GXの実現」という物語と「DRAM増産」という実体の間に、構造的なズレが潜んでいます。メモリはAIの演算を支える基盤ですが、その製造工程は膨大な電力を消費し、水も大量に使います。記事が当然視している「GX実現のための半導体増産」という前提は、エネルギー消費と脱炭素という両立しにくい二つの目標を一つの物語にまとめています。ここで欠落しているのは、「誰が、どの電力で、どのタイミングでこの工場を動かすのか」という実行レイヤーです。広島工場の増強が実際にGXに寄与するかは、調達する電力の脱炭素度と、製造から廃棄までのライフサイクル全体の環境負荷に依存します。投資の発表は期待先行を煽りますが、実体としての電力需給と環境規制の現実は、工場完工後の2030年前後にはより厳しくなっているでしょう。この投資をGXの成功物語として語るには、生産するメモリ自体の省エネ性能向上と同時に、製造現場の電源構成の具体的な計画を示す必要があります。現時点では、物語が実体の翻訳に成功しているとは言えません。

マイクロンメモリ ジャパンは2026年7月、広島工場の生産能力増強に向けた新クリーンルーム建設の起工式を開催した。AI技術の進展に伴うメモリ需要の増加に対応するもので、2028年後半に製造装置の搬入を開始する予定だ。広島工場には今後、この新クリーンルーム建設を含めて1兆5000億円を投じる。 Mehrotra氏は「広島工場は単にメモリを生産するだけでなく、生み出す場所でもある。1γ(ガンマ)ノードDRAMなど、AIの中核を担うメモリがまさにこの広島で開発された。そして、広島のチームは決して孤立してはいない。米国やアジアをはじめ世界中にいるマイクロンのエンジニアたちが広島のチームを支えている。私たちは一丸となって成果を上げている」とし、「今日は、マイクロンが太平洋の両岸で紡ぐ物語のうちの1章となる日だ」と語った。 広島工場の増強は、マイクロンにとっての重要投資であると同時に、日本政府が進める半導体生産基盤強化の一環でもある。赤澤氏は「半導体はデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)の実現、経済安全保障の観点からも極めて重要な戦略物資だ。中でも世界的に需要が拡大しているメモリを日本で生産し、世界に貢献することには大きな意味がある」「良好な日米関係を維持することで、マイクロンのチャレンジを支援したい」とコメントした。 今後の半導体産業支援策については「(ロジックやメモリなど)AIに必要な一通りの半導体の生産基盤がある国は世界中でもなかなかないが、日本はそれを目指していきたい」「最先端半導体では、設計にもかなりコストがかかってくる。経済産業省はマイクロンやRapidusのようにチップを製造する企業に対する支援をしているが、設計に対する支援にも両輪で取り組みたい」とした。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

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