企業動向

ビッグオイルの再エネ戦略転換、資本規律と収益性を重視

Forbes JAPAN 2026-07-01
ビッグオイル(大手石油企業)が再生可能エネルギー戦略を転換し、資本規律と収益性を重視する方向へと舵を切っている。

専門家の視点

ビッグオイルの再エネ戦略転換は、「期待先行」と「実体欠落」の間のズレを典型的に示しています。気候危機の物語が投資家・市民に広がる中で、石油メジャーは脱炭素へのコミットメントを率先して掲げてきましたが、その実体は洋上風力や太陽光の事業で二桁のIRR(内部収益率)を安定的に出せるビジネスモデルが未確立だったという事実です。資本規律と収益性の重視は、物語ではなく実体(経済合理性)への回帰であり、ビッグオイルが本来持つ「資本コストと設備投資の時系列管理」という強みを再確認した動きと読めます。ここで問い直すべき前提は「再エネ事業は石油事業と同程度のリスク・リターン構造で運営できる」という暗黙の仮定です。実際には、再エネの収益は補助金や系統制約、気象変動に大きく依存し、石油のように在庫調整でレジリエンスを高めることができません。結果として、メジャーは油田開発の高いハードル(規模・掘削期間・価格変動)に慣れた経営陣が、再エネの「低リスク・低リターン・長期契約型」をどう評価し直すかという構造的課題に直面しています。

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