企業動向

編集者の視点 「Amazon、25年のスコープ2排出量3割増」

日本経済新聞 2026-07-02
Amazonの2025年のスコープ2排出量が前年比で約3割増加したことを報じている

専門家の視点

Amazonの2025年スコープ2排出量が前年比3割増加した事実は、データセンター拡大による電力消費の物理的増加という「実体」を如実に示しています。一方でAmazonは「2040年ネットゼロ」という壮大な「物語」を掲げ続けており、この乖離は「物語先走り」の典型例です。同社は再生可能エネルギー購入(PPA)でスコープ2を相殺する戦略ですが、データセンター需要の急拡大がその調達ペースを上回っている構造が見えます。 ここで問うべきは、「AI需要の爆発がカーボンフリー目標にとって可逆的なのか不可逆的なのか」という点です。データセンターの電力契約は長期固定であるため、一旦増えた排出量を短期的に削減するのは極めて困難です。この時間軸の非対称性が、Amazonの物語と実体のズレを固定化しています。 投資家やESG評価機関の「期待」は依然として高いものの、実体が物語を裏切る頻度が増せば、期待もやがて現実に引きずられます。この構造の要は、技術革新(小型モジュール炉や次世代バッテリー)がデータセンターの電力需要増加に追いつくかどうかであり、現時点では追いついていません。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る